深く、優しく、そして踊れる ── ティム・グリーンが語る集大成『Body Stars EP』

2025年7月28日

静謐な情景から多幸感あふれるフロアまでを滑らかに行き来する、ティム・グリーンの最新作『Body Stars EP』が〈All Day I Dream〉よりリリースされた。本作は、キャリアと人生における「これまでのすべての音楽的影響」を凝縮した全3曲入りの意欲作である。

タイトル曲「Body Stars」は、柔らかな推進力と広がりのあるシンセを中心に展開される、繊細でありながら包容力を感じさせるナンバー。中盤の「Minds」では、シンクロとずらしを巧みに織り交ぜながら、ダンスフロアの深層に潜り込むような感覚を生み出している。そしてラストを飾る「You Look Good」は、抜けの良いグルーヴと感情のきらめきが共存する、ポジティブな余韻を残す楽曲である。

全体で約26分にわたるこのEPは、シネマティックでありながらもパーソナルな響きを備えており、クラブのピークタイムはもちろん、一人静かに過ごす時間にもぴたりと寄り添う設計となっている。

ティム・グリーン自身は本作についてこう語っている。

『Body Stars』は、今日までの人生において僕が受けたすべての音楽的影響の具現化なんだ。音楽性、エネルギー、感情──そのすべてのバランスに最も満足している。これらの曲は、ここ2年間ずっとDJセットでプレイしてきたけれど、フロアでは本当に素晴らしく機能するし、個人的な空間でもじっくり聴き込む価値がある。多層的なレイヤーが隠れていて、聴くたびに新たな発見があるはずさ。

ティム・グリーンはこれまでも〈All Day I Dream〉から『Vacation To Life』（2020年）や『The Moss』（2021年）、『Eastbound Silhouette』（2022年）、『The Night is Blue』（2023年）などを発表しており、その音楽的なレンジと構築美は高い評価を受けてきた。本作『Body Stars』もまた、その進化の延長線上にある一作でありながら、彼ならではの感性がより色濃く反映された作品となっている。

なお、ティム・グリーンは〈All Day I Dream〉の2025年夏ツアーにも参加予定。8月3日のニューヨーク・ブルックリンを皮切りに、エジプト、ジョージアと続く旅路は、まさにこのEPの世界観を体現するライブ体験となるだろう。