
ジャンルの境界を軽やかに越え、グローバルな音楽の架け橋を築き続けてきたハイチ出身のプロデューサー/DJ、マイケル・ブランが、新作プロジェクト『FAMI VOL.1』を発表した。本作は、自身のルーツに根ざした“家族(FAMI)”というテーマを軸に、アフロビーツ、レゲトン、ダンスホール、R&B、コンパといった多彩なジャンルを融合させた意欲作である。
「FAMI」とは、ハイチ・クレオール語で“家族”を意味する言葉。ブランはこの言葉をタイトルに掲げ、世界中のアーティストたちとのコラボレーションを通して、音楽がいかにして国境や文化の壁を越えて“繋がり”を生むのかを証明してみせた。参加アーティストには、Jバルヴィン、ジョン・レジェンド、ベッキーG、ビーニー・マン、バウンティ・キラー、オックスレイド、セント・レヴァント、シェラージーら、ジャンルや地域を越えた豪華な面々が名を連ねている。
ブランはリリースに際し、次のように語っている。
「『FAMI』は、僕にとって家族の物語であり、世界中を旅して音楽的な橋を架けた記録でもある。ハイチから世界へ。どの曲も、あなたを夏の旅へ連れていってくれるはずだ。」
プロジェクトには、すでに発表済のシングルを含む全12曲を収録。ナイカとの「Agua」、スターク・アシュリー & コジェイ・ラディカルとの「Closer」、シェラージーとの「Elevate」といった新鋭たちとの共演も聴きどころである。中でもジョン・レジェンドとルツシェルを迎えた「Safe」は、ブランの繊細でありながら力強いプロダクションが光る一曲である。
さらに、本作のリリースは、6月末にブルックリンのBarclays Centerで開催されたブラン主催の音楽フェス「BAYO」の熱狂を引き継ぐ形で行われた。「BAYO(バヨ)」とは、“与える”を意味する言葉。ブランが2015年にハイチで始めた小さなブロックパーティが、年を追うごとに拡大し、ついに今年は米最大級のアリーナにまで到達した。その勢いのまま、「BAYO」は8月にボストンとモントリオールへのツアーも決定しており、すでにチケットも発売中である(https://www.michaelbrun.com/#/live 参照)。

『FAMI VOL.1』トラックリスト:
- Jessica(J Perry, Saint JHN, Charly Black & J Balvin)
- Coming Your Way(Anne-Marie & Becky G)
- Touchdown(J Balvin, Beenie Man, Bounty Killer & Tasan)
- Agua(Naïka)
- Closer(Stalk Ashley & Kojey Radical)
- Elevate(Shirazee)
- Charge It(Masego, Jozzy & Bayka)
- Sak Pase(Saint Levant & Lolo Zouaï)
- Shut Up & Dance(King Promise, KES & Anthony Ramos)
- Clueless(Oxlade)
- Safe(John Legend & Rutshelle)
- Oh Ah(Cimafunk & Paul Beaubrun)
マイケル・ブランは、ポルトープランス生まれ。音楽活動を通じてハイチの文化や歴史を世界に紹介し続けており、これまでJバルヴィン、ヴィクトリア・モネ、オックスレイド、キング・プロミスら多くのアーティストとコラボしてきた。Latin GRAMMY受賞歴を持ち、EA FC24では彼の名前を冠したゲーム内ユニフォームも登場。また、音楽フェス「BAYO」は毎年世界中から数千人を集め、アーティストたちのサプライズ出演も恒例となっている。
『FAMI VOL.1』は、単なるコンピレーションではない。ブランが紡ぎ続けてきた“音楽による文化の橋渡し”の集大成であり、未来への布石でもある。まさに今、音楽が持つ“繋がる力”を体感するには最適の一作である。
『FAMI VOL.1』配信中:
👉 https://michaelbrun.lnk.to/FAMIVOL1