
エクスペリメンタル・アーティスト、ルクレシア・ダルトが、ニュー・アルバム『A Danger to Ourselves』(9月5日発売/RVNG Intl.)より、先行シングル第3弾「caes」をMVとともに公開した。今作は、デヴィッド・シルヴィアンがミックスと共同プロデュースを務め、メキシコのサウンドアーティスト、カミラ・マンドーキがフィーチャリングで参加している。
「caes」は、アルバムにおいて最も強靭な緊張感を放つ楽曲である。ダルトのヴォーカルは圧倒的な存在感をもって、聴き手の感覚を直撃する。カミラ・マンドーキによるリード・コーラスが音の奥行きを形づくり、不協和音のうねりの中で構成の輪郭を鋭く切り取る。アレックス・ラザロ(『¡Ay!』でも共演)は、単なるリズムキーパーに留まらず、時間の感覚そのものをずらし、予期せぬ空白とゆらぎを創出している。
音楽的にはスローダウンしたデムボウを仄かに匂わせつつ、古代的な旋律のエネルギーを内包。「悲劇を通して人生を見つめる」というテーマにおいて、ダルトはアナ・メンディエタやエヴリン・マクヘイルといった女性たちの影を重ねながら、詩的かつ哲学的な視座を提示する。
映像は、ルクレシアが拠点を移したアメリカ南西部と、マンドーキが活動するメキシコシティで撮影。アモール・ムエレのメンバーとしても知られるマンドーキとの共演は、土地と身体、言葉と沈黙を越えた共鳴として立ち上がる。映像の中でルクレシアは静かに語る──「落下に身を委ねる行為の中にこそ、全体性、崇高さが宿るのではないか?」

『A Danger to Ourselves』
2025年9月5日リリース予定|PLANCHA / RVNG Intl.
TRACK LIST:
01. cosa rara (ft. david sylvian)
02. amorcito caradura
03. no death no danger
04. caes (ft. camille mandoki)
05. agüita con sal
06. hasta el final
07. divina
08. acéphale
09. mala sangre
10. the common reader (ft. juana molina)
11. stelliformia
12. el exceso según cs
13. covenstead blues
- ボーナス・トラック(日本盤限定)
商品情報
- アーティスト:Lucrecia Dalt
- タイトル:A Danger to Ourselves
- 発売日:2025年9月5日
- フォーマット:CD / デジタル(日本盤には解説・対訳・ボーナストラック付属)
- 品番:ARTPL-238
- 価格:2,200円+税
先行シングル「caes」配信中
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