
2025年8月8日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開されるドキュメンタリー映画『サタンがおまえを待っている』。そのポスタービジュアル、予告編、場面写真が一挙に公開された。
本作は、1980年代の北米を恐怖に陥れた“サタニック・パニック”の実像に迫るドキュメンタリーである。発端となったのは、退行催眠によって幼少期の記憶を取り戻したと語るミシェル・スミスと、その精神科医ローレンス・パズダーによる共著『ミシェル・リメンバーズ』の出版であった。彼女の証言は、悪魔崇拝者による儀式虐待──生贄、詠唱、排泄物の強要、胎児の切断など──を赤裸々に描いたもので、アメリカ中のテレビ番組で取り上げられ、大衆の恐怖と疑念を煽った。
それは瞬く間に“私も被害者だった”という連鎖的な証言を引き起こし、ついには警察、FBI、学者までもが巻き込まれる一大パニックへと発展した。この集団ヒステリーは“現代の魔女狩り”とも呼ばれ、今なおアメリカ社会に暗い影を落としている。


監督はスティーヴ・J・アダムズとショーン・ホーラーのコンビ。膨大なアーカイブ映像と証言を駆使したテンポの良い編集が高く評価され、SXSW映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭、ホットドックスなど、世界中の映画祭で絶賛された。批評サイトRotten Tomatoesでは95%フレッシュ(※2025年5月時点)という高評価を獲得している。
公開されたポスターでは、中心にミシェル、背後に精神科医パズダーが描かれ、逆さのペンタグラムや“666”といった象徴も配されており、不気味さと意味深さを強く印象づけるビジュアルに仕上がっている。
予告編では、ミシェルの「もちろんです」という確信的な証言と、「もう何が現実かわからない」という涙の訴えが交錯し、サタン教会創始者アントン・ラヴェイやマクマーティン保育園裁判など、時代の狂気を象徴するシーンも挿入されている。さらに、本作のタイトルを思わせるような「逆さ十字」が回転し続ける映像が、観る者の神経をじわじわと刺激する。
また、当時のニュース映像やミシェルのセラピーの様子などを捉えた場面写真もあわせて解禁され、80年代から90年代にかけてアメリカを揺るがせた“悪魔的儀式虐待”パニックの全容が浮かび上がる。
『サタンがおまえを待っている』は、人間の「信じたい」という欲望と「恐れたい」という心理が織りなす、極めて現代的な社会現象に迫る一作である。今の時代にも通じる集団パニックやフェイクの拡散が、どのように現実を歪めていくのか──それは他人事ではない。ぜひ劇場で、その恐怖の本質を目撃してほしい。

作品情報
タイトル: サタンがおまえを待っている(原題:SATAN WANTS YOU)
公開日: 2025年8月8日(金)〜
監督: スティーヴ・J・アダムズ、ショーン・ホーラー
出演(アーカイブ映像含む):
ミシェル・スミス、ローレンス・パズダー、アントン・ラヴェイ、チャールズ・エニス(バンクーバー警察)、ケン・ラニング(FBI特別捜査官)ほか
製作: 2023年|カナダ映画|90分|英語|カラー
字幕翻訳: 大石千恵子
提供: キングレコード
配給: ポニーキャニオン
公式サイト: https://satan-matteru666.com/
公式X: @satanwants666
ムビチケ販売ページ: https://ticket.moviewalker.jp/film/089806

