AWAL(SONY MUSIC)より2025年7月1日正式配信。MVは猿江神社で撮影、日エ文化融合の象徴的作品に。

中東と日本を横断する異文化ハイブリッド作品が、この夏リリースされた。
エジプト出身のアーティストSHOが手がけた新曲『カリスマ』は、2025年7月1日にAWAL(SONY MUSIC)より正式リリース。MVも同日公開され、独自のビジュアルと言語表現が話題を呼んでいる。

ジャンルはヒップホップ/レゲトンを基調に、日本の伝統楽器と舞踊を織り込んだコンセプチュアルな構成。エジプト文化の象徴「ファラオ」を主軸に、「本物」とは何かを問う哲学的テーマが貫かれている。
「偽物と本物を比べるな」という印象的なフレーズに象徴されるように、現代における情報の過多や価値判断の混乱といった課題に対し、SHOは“心で選ぶ”という態度を提示してみせた。
MVの撮影地は東京都江東区・猿江神社。歴史ある境内の静謐な空間に、現代的な照明演出を加えることで、古典とモダンが交錯する世界観が構築された。テーマは「リアルな邂逅」。文化や言語を超えた出会いの“瞬間”が、映像と音のクロスオーバーで描かれている。


参加アーティストの顔ぶれも注目だ。津軽三味線奏者・川嶋志乃舞、サックス奏者・今井晴萌、タップダンサー・中川美海が出演。それぞれが着物や羽織を身にまとい、自身のスタイルを貫きながら、映像のなかで重なり合う。ジャンルも国籍も異なる表現が一つの物語として編まれ、“一体化された多様性”が生まれている。
制作陣には、音楽プロデューサーの菊池参、監督の戸祭朝美、撮影の冨田大貴、照明の小田部将弥、編集の吉井康祐など、日本の映像クリエイティブシーンで実績を積んできた面々が集結。美術面では、浮世絵アーティストの岡村亮太も参加し、音楽・映像・ビジュアルが統一されたトーンで提示されている。
『カリスマ』は単なる越境的音楽作品にとどまらない。150年以上の交流を持つ日本とエジプトの文化的・人的なつながりを背景に、今後の国際協業の可能性を示すものとして注目されている。

SHO本人は、本作に寄せてこう語る。
「音楽を通じて国境を越えた理解を深め、エジプトと日本の絆を強める架け橋となることを願っています」
また、駐日アラブ共和国エジプト大使館もコメントを発表している。
「SHOさんの『カリスマ』のリリースに心からのお祝いを申し上げます。この楽曲には、エジプトの象徴的なモチーフと日本の伝統芸術が美しく織り込まれており、両国の文化が響き合う素敵なコラボレーションだと感じています。音楽の力で世代や国を超えたつながりが生まれることを、私たちも楽しみにしています」
SHO『カリスマ』MV配信情報
レーベル:AWAL(SONY MUSIC)
※Apple Music、Spotifyなどでも配信予定
主要キャスト/クルー

SHO|ヴォーカル
エジプト・カイロ出身。演劇学・サウンドエンジニアリングを学んだのち、米フロリダ・フルセイル大学で音楽ビジネスを専攻。
ユニバーサル・ミュージックMENA認定サウンドエンジニア。
エジプト音楽界の伝説・アフマド・ムニブのスタジオでプロデューサーとして活動。

川嶋志乃舞|津軽三味線
茨城県笠間市出身。東京芸大卒、津軽三味線全国大会で4度優勝。
現在は観光大使やTV出演などを通じて、伝統音楽の現代的アプローチを展開。

今井晴萌|テナーサックス
京都出身。米国テネシー州でヴィクター・ウッテンらに師事し、プロとして国内外で活動。ナイル・ロジャースらとも共演。

中川美海|タップダンス
幼少期から国内外の大会で頭角を現し、現在はパフォーマー/振付師/講師として幅広く活動中。
制作チーム(抜粋)
- 音楽プロデューサー・作曲:Abo Abeer
- 音楽ディレクター:菊池 参
- 監督:戸祭朝美
- 撮影:冨田大貴、久保田ヤスタカ
- 編集:吉井康祐
- 照明:小田部将弥
- 浮世絵アート:岡村亮太
- 撮影地:猿江神社(東京都江東区)
『カリスマ』は、グローバルカルチャーが交差する時代に、“本物”の問いを立てる。音楽、映像、伝統、言語——そのすべてが重なり合う場所で、未来の文化の輪郭が、静かに浮かび上がっている。