アフロ・エレクトロニックの革新者、ボーディ・サットヴァ ── 魂を揺さぶるスピリチュアル・アルバムを発表

アフロ・ハウスとアンセストラル・ソウルのパイオニアとして知られるボーディ・サットヴァが、自身初の公式2枚組ヴァイナル・アルバム『Manifest Everything.』を2025年7月11日にリリースする。本作は、BBE MusicおよびBatakari Musicとの共同制作による、深く個人的かつ音楽的にも極めて重要な作品と言える。

『Manifest Everything.』は、グラミー賞ノミネートを果たした過去作『Manifestation』、およびその続編である『In Spite of Everything』から選りすぐった楽曲を収録した集大成的なアルバムだ。しかし、これは単なるベスト盤ではない。2022年に他界した母親へのトリビュートとして制作された本作は、彼女の創造性と不屈の精神が全体を貫いており、深い感情とスピリチュアリティが滲むパーソナルな旅でもある。

アルバムには、ラヒーム・デヴォーンやザキ・イブラヒム、ジェイ・サムシング、ケイシャ、ジョルジ・ベゼーラといった豪華ゲストが参加。中でも「Finesse Me」や「Xangô」は、アフロ・ブラジルのグルーヴと現代エレクトロニックの洗練を高次元で融合させた楽曲として注目を集めている。

アートワークには、ボーディが敬愛するジャン=ミシェル・バスキアから着想を得たビジュアルが施されており、彼のサウンドと同様に、文化とアイデンティティに対する挑戦的な表現が貫かれている。また、ボーディ自身が執筆したライナーノーツも収録されており、創作の背景を読み解く上でも貴重な手がかりとなる。

本作は、マスターズ・アット・ワーク、ブラック・コーヒー、オスンラデ、ルイ・ヴェガなどに魅了されたリスナーにとって必聴の一枚であり、グローバルなクラブ・サウンドの現在地を示す重要作でもある。

さらに、ボーディ・サットヴァは近年、アフリカ文化の音楽的普及に貢献した功績が認められ、ニューヨーク州上院およびアメリカ合衆国議会から正式に表彰を受けている。その功績と信念が、今作にも確かに息づいている。

魂に触れるビート、文化の誇り、そして音楽への深い献身 ── 『Manifest Everything.』は、聴く者を新たな精神世界へと導くスピリチュアルなマニフェストである。

ボーディ・サットヴァ Instagram

ボーディ・サットヴァ Bandcamp

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