
東京を拠点に活動するミュージシャン、Satomimagaeが、RVNG Intl.よりニュー・アルバム『Taba』を4月25日にリリースする。その収録曲から、先行シングル「Omajinai」のミュージックビデオが公開された。
『Taba』は、彼女自身が「緩やかにつながった短編集」と表現する作品であり、個人と集団、可視と不可視、構築と解体といったテーマを探求する。今回公開された「Omajinai」は、その中でも特に儚く、謎めいた瞬間を描いた楽曲である。アコースティック・ギターと静かな詩情に彩られたSatomimagaeの歌声は、まるで浮遊するかのように現れては消え、聴き手を幻想的な世界へと誘う。物語の結末が明かされることはなく、楽曲が終わった後も記憶の奥深くで揺らぎ続ける。
本楽曲のミュージックビデオは、Satomimagaeの長年のコラボレーターであるNorioが手がけたモノクロ映像作品。映像は、楽曲の持つシンプルかつ奥深い世界観を視覚的に表現し、日常の中に潜む非日常的な瞬間を捉えている。
Satomimagaeは本作について、「一人でタバコを吸う時間は、日常でありながら、世界を俯瞰する非日常的な時間でもある。それは、時間制限のある幽体離脱のようなもの」とコメントしている。
『Taba』は、Satomimagaeにとって2021年の『Hanazono』以来となるアルバム。自然の響きを取り入れながら、彼女自身の世界観をさらに広げた作品となっている。リード・シングル「Many」では、フォーク・ミュージックの枠を超えた有機的なアレンジが際立ち、静謐ながらも奥行きのあるサウンドを生み出している。
また、アルバム全体を通して、コラボレーションによる新たな試みもなされている。Norioのシンセサイザーがバラード「Kodama」を包み込み、Akhira Sanoが演奏するローズ・ピアノが「Dottsu」に繊細な輝きを与えている。さらに、Yuya Shitoのクラリネットが「Spells」に有機的なテクスチャーを加え、Satomimagaeの新たな表現を際立たせた。
『Taba』というタイトルは、日本語で「束(たば)」を意味し、異なるものを束ねた集合体を象徴している。Satomimagaeは、日常の些細な出来事や感覚の断片をつなぎ合わせ、一つの音楽作品として構築することで、個人と社会の関係性を再考している。

『Taba』
2025年4月25日 価格: 2,200円+税
PLANCHA / RVNG Intl.
※日本独自CD化 ※CDボーナストラック1曲収録
■ Tracklist
- Ishi
- Many
- Tonbo
- Horo Horo
- Mushi Dance
- Spells
- Nami
- Wakaranai
- Dottsu
- Kodama
- Tent
- Metallic Gold
- Omajinai
- Ghost
- Kabi (Bonus Track)