静寂の中に響くノイズ──quickly, quickly『I Heard That Noise』

2025年3月24日

オレゴン州ポートランド出身の若き奇才、Graham Jonsonによるソロ・プロジェクト、quickly, quicklyが、Ghostly Internationalからセカンド・アルバム『I Heard That Noise』を4月18日にリリースすることが決定した。日本限定のCD盤にはボーナストラックが収録される。

先行シングル「Take It From Me」はミュージックビデオとともに公開中。本楽曲は、ギターとピアノが奏でる繊細なバラードで、ジョンソン自身が「2つの異なるストーリーを持つ」と語る。人間関係の終焉と自己探求をテーマにした楽曲は、「Take It From Me」というフレーズとともに静かに幕を閉じる。その儚さが、どんなリスナーの心にも響くだろう。
ジョンソンは10代の頃からローファイ・ビートメイカーとして活動し、その後、作曲家・アレンジャーとしての才能を開花させた。2021年のアルバム『The Long and Short of It』では、ベッドルームポップにソウルやサイケデリックな要素を融合させ、高い評価を得た。本作『I Heard That Noise』では、より実験的なアプローチを試み、フォーク・アルバムの制作を目指しながらも、ノイズや予測不能な音のレイヤーを積み重ねた結果、親密でありながらもダイナミックな作品に仕上がった。
アルバムのインスピレーションには、The Microphones / Mount EerieのPhil Elverumのヴォーカルメロディーやサウンドデザイン、Dijonの感情表現、Nick Drakeのリズムなどが挙げられる。ビートの枠にとらわれず、ディレイやディストーションを駆使し、楽曲が予測不可能な展開を見せるのも本作の魅力のひとつだ。
quickly, quicklyの進化を体感できる本作。新たな音楽の旅に出る準備はできているだろうか？