中高生による軽音楽活動が、いま静かに進化の時を迎えている。

フェンダーミュージック株式会社が発表した『Fender® Youth Music Program』は、日本全国の中学校・高校の軽音楽部に向けたチャリティ・プログラムだ。機材の無償提供だけでなく、現役アーティストによる特別音楽レッスンまで含まれている。
このプログラムが始動したのは、“ロックの日”として知られる6月9日(月)。対象となるのは、軽音楽部のある、または設立を予定・検討している中学校、高校、特別支援学校。応募は2025年7月7日(月)まで、申請ページから学校単位で行う必要がある。
▶ 支援内容は大きく2つ
- フェンダー製の楽器や機材の無償提供
ギターやベース(エレキ/アコースティック)に加えて、アンプ、ケーブル、ストラップ、スタンドなどを一式提供。学校の希望を踏まえて内容を調整するという柔軟さも備えている。 - 現役アーティストによる特別音楽レッスンの実施
レッスンの内容や担当アーティストは当日までのお楽しみ。希望校多数の場合は抽選となるが、「生きた音楽」に触れる絶好の機会だ。
この支援は、NPO法人「全国学校軽音楽部協会」との連携により、現場のニーズに即した形で実施される。支援対象校の選定は、フェンダー社による独自の選考によって決定され、結果は2025年7月18日(金)までに通知される予定。
▶ なぜ今、軽音楽部の支援が必要なのか?
全国に約4,800ある高等学校のうち、軽音楽部を設置しているのは約2,000校。人気の割にインフラ整備が追いついておらず、「機材不足」「指導者不在」「練習環境の制限」といった問題を抱えている。
にもかかわらず、軽音楽部は“楽器演奏”という枠を超えて、創造力・協調性・自主性など、社会に出てから必要とされるスキルを育む重要な場となっている。
フェンダーはこうした現状に対し、軽音楽部を「次世代の音楽文化を育む土壌」と捉え、支援を決定。音楽を通じて中高生の未来を広げる仕組みをつくろうとしている。
▶ 過去の取り組みから見える成果
フェンダーは2022年にも同様のチャリティ活動『We Love Music』を実施。福井県坂井市と奈良県天理市の学校に機材を寄贈し、MIYAVI、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、Reiといった豪華アーティストによる特別授業を行った。
その結果、学校内での軽音楽活動が活性化し、「昼休みにバンドを組んで練習する生徒が増えた」といった声が現場から届いたという。ハードとソフトの両面で“動き”をつくる施策は、着実に成果を生み出している。
▶ 応募情報まとめ
- 申請受付期間:2025年6月9日(月)~7月7日(月)
- 対象:全国の中学校・高等学校・特別支援学校(公立・国立・私立)
- 応募条件:
- 音楽教育または軽音楽部の活動向上を目的としていること
- 軽音楽部がある、または今後設立予定/検討していること
- 全設問への回答が必須
- 応募ページ:https://jp.fender.com/pages/fender-youth-music-program
- 選考結果通知:2025年7月18日(金)までに当選校へ連絡予定
- 助成開始:2025年9月以降予定
音楽には、人と人をつなぐ力がある——。
フェンダーが描くこのプログラムは、単なる寄付ではなく、「未来の音楽家」と「教育現場」をつなぐ仕組みそのものだ。
次世代を担う中高生にとって、それは間違いなく“夢への入り口”になるだろう。