
ヤマハ株式会社は、プロオーディオ分野における新たな技術連携を発表した。対象は同社のデジタルミキサー「DM3シリーズ」と、ローランド株式会社の小型ビデオ・スイッチャー「V-80HD」。この連携により、音声と映像のオペレーションをシームレスに制御できるようになり、現場の生産性が大幅に向上する見込みだ。
「DM3シリーズ」は、最大96kHzの高品位サウンド、直感的な操作性を実現する9インチタッチスクリーン、豊富なエフェクト・プリセットを搭載しながら、軽量・コンパクトという機動性にも優れている。一方、「V-80HD」は、多様な接続端子とフォーマットに対応し、映像・音声の一括制御が可能なプロフェッショナル向けの小型スイッチャーだ。
今回のアップデートにより、「V-80HD」側から「DM3シリーズ」に保存されたシーンメモリーを呼び出せるようになったほか、「DM3シリーズ」側から「V-80HD」のフェーダーやミュートボタンを操作できる双方向制御に対応。イベントやライブ配信の現場で、音響と映像の連携設定が一元化されることで、単独のオペレーターでも高度な演出が実現できる。
この新機能は、2025年6月5日公開の「V-80HD」最新ファームウェアへのアップデートにより利用可能となる。

また、6月11日(水)〜13日(金)にアメリカ・フロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催される「InfoComm 2025」にて、本機能連携のデモ展示が予定されており、グローバル市場への訴求も強化される見通しだ。
ヤマハとローランド、音響と映像、それぞれの分野で高評価を得てきた2社のコラボレーションは、コンテンツ制作やライブ演出における新しいスタンダードを生み出す可能性を秘めている。限られた人員や設備での運用が求められる現場において、効率性とクオリティの両立を実現する一手となりそうだ。