90年代R&Bの香りとともに──『松尾潔のメロウなライナーノーツ』が書籍化

R&Bラバーにとって見逃せない一冊が、2025年6月20日に刊行される。音楽プロデューサー/作家として知られる松尾潔の最新著作『松尾潔のメロウなライナーノーツ』が、リットーミュージックより発売される運びとなった。

本書は、松尾が90年代に執筆した300本を超えるCDライナーノーツから、自選・厳選した52本を収録したもの。メアリー・J・ブライジ、ジャネット・ジャクソン、ディアンジェロ、ボーイズⅡメン、エリカ・バドゥ──そうした名だたるアーティストたちの名盤や愛蔵盤、さらにはベスト盤に添えられた松尾の言葉が、四半世紀の時を超えて再び息を吹き返す。

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構成は「女たちよ!」「男たちよ!」「花よ嵐よ!」の三章立て。フェミニンなエネルギー、ソウルフルな男性像、そしてグループやサウンドの変遷まで、多角的な視点から90年代R&Bの魅力に迫る。単なる資料性にとどまらず、アーティスト本人へのインタビューを交えた記述や、その場でしか得られなかった空気感が詰め込まれており、読み物としても高い完成度を誇る。まさに「エンターテインメントとしてのライナーノーツ」が体現された一冊である。

松尾潔

著者の松尾潔は、1990年代から日本にR&B文化を根付かせた第一人者として知られる。久保田利伸との交流をきっかけに音楽制作の世界へと足を踏み入れ、平井堅、CHEMISTRYなど数々のアーティストの楽曲をプロデュース。EXILE「Ti Amo」では日本レコード大賞、JUJU『DELICIOUS 2』では日本ゴールドディスク大賞ジャズ部門を受賞するなど、その功績は枚挙に暇がない。

そんな彼が、2024年に惜しまれつつ終了したNHK-FM番組「松尾潔のメロウな夜」以来、初となる音楽書籍として世に送り出すのが本書である。放送終了を経てなお、松尾の“言葉による音楽愛”は、こうして新たな形で鳴り響く。

まさに「答え合わせ」とも言える読書体験。90年代R&Bがいま一度、私たちの胸にメロウな余韻を残してくれる。


■書誌情報
書名:松尾潔のメロウなライナーノーツ
著者:松尾潔
定価:3,300円(本体3,000円+税)
発売日:2025年6月20日
発行:リットーミュージック
商品詳細ページ:https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3125317102/


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