
東南アジアから届いた瑞々しい才能が、日本の音楽シーンでもじわじわと存在感を示しつつある。シンガポール出身のシンガーソングライター、レジーナ・ソングが新曲「Love me again」をリリースした。本作は、初恋の記憶と向き合いながら紡がれる、切なくも美しいラブソングである。
レジーナは、今年2月に発表された楽曲「Fairy」と同時期にこの新曲を書き上げた。静かな苦悩をたたえた「Fairy」に対し、「Love me again」はより感情の起伏が色濃く反映された一曲となっている。時間の流れの中で形を失っていく関係への戸惑い、怒りが静まり、ただ「戻りたい」という願いだけが残される ── そうした心の移ろいを、レジーナは誠実な声で描き出す。
ピアノが中心に据えられたシンプルな編曲は、想いの輪郭をいっそう際立たせ、失ったものへの郷愁をそっと浮かび上がらせる。聴き手の記憶の底に眠る“もしも”を優しく揺さぶるような一曲である。
新曲のリリースにあわせて、レジーナは日本を訪れた。昨年リリースした「the cutest pair」がMUSIC AWARDS JAPAN 2025 最優秀アジア楽曲賞にノミネートされ、授賞式出席のために来日したのである。彼女はその体験について、以下のように語っている。
「日本は本当に素晴らしかったです!Music Awards Japanは私にとって初めてのアワードで、とても新鮮で充実した経験になりました。みなさんがとても温かく迎えてくれて、まるで地元にいるようにも感じました。日本のトップアーティストたちのパフォーマンスを観ることができて、本当に感動しましたし、彼らに対して大きな尊敬と感謝の気持ちを抱いています。」
アジアポップの新時代を象徴する存在へ
現在21歳のレジーナ・ソングは、2024年にSpotifyで最も再生されたシンガポール国内アーティストのひとりであり、若き才能として注目を集めている。シングル「the cutest pair」は4,400万回以上のストリーミング再生を記録し、「Viral 50 – Global」にもランクイン。Spotifyの「RADAR」アーティストにも選出され、国際的な評価を着実に得ている。
デビュー・アルバム『fangirl』のリリースを機に東南アジア諸国で行われたツアーは軒並み完売し、2025年はWanderland Festival(フィリピン)やLaLaLa Fest(インドネシア)といった地域の主要フェスティバルへの出演も予定されている。ブラック・アイド・ピーズやカミラ・カベロといったグローバルスターとの共演も控えており、アジアポップの新時代を象徴するアーティストとしての地位を固めつつある。
彼女の楽曲には、青春の甘酸っぱさや、取り戻せない時間への郷愁が滲む。それは同時に、グローバル化が進む現代においても失われない「個の感情」への回帰でもある。

リリース情報
Regina Song(レジーナ・ソング)
ニュー・シングル「Love me again」配信中
レーベル:No Saints Allowed
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Tracklist:
- Love me again
- Love me again (Piano Version)
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