
演歌・歌謡曲の象徴として語られることの多い美空ひばり。しかし、そのキャリアを振り返れば、彼女が一貫してジャンルの枠を飛び越え、時代の音と真摯に向き合い続けてきたことに気づかされる。そんな“もう一つの美空ひばり像”を浮かび上がらせるコンピレーション・アルバム『HIBARI Crossover』が、本日5月29日にリリースされた。
本作には、シティポップ再評価の波において再注目される作曲家・林哲司が、秋元康プロデュースのラスト・アルバム『川の流れのように~不死鳥パートII~』(1988年)で提供した「背中」など3曲を収録。さらに、後藤次利、見岳章ら80年代を彩った実力派作家陣の手による楽曲も収められている。
また、1983年に来生たかおが作曲、坂本龍一が編曲を手がけた「笑ってよムーンライト」や、グループ・サウンズ黄金期の1967年に、ジャッキー吉川とブルー・コメッツをバックに歌い上げた大ヒット曲「真赤な太陽」など、時代もジャンルも横断した名曲群が並ぶ。
アルバムタイトルの『HIBARI Crossover』が示す通り、ここに刻まれているのは「演歌の女王」というイメージにとどまらない、ジャンルレスな表現者・美空ひばりの真の姿である。世代や音楽性を越えて交差する彼女の軌跡は、今なお新たなリスナーに刺激と感動をもたらしてくれるに違いない。
■リリース情報
タイトル: HIBARI Crossover
発売日: 2025年5月29日
品番: COCP-42479
価格: ¥3,300(税込)/¥3,000(税抜)
発売元: 日本コロムビア