地下室からのポップス──Notes From Under Ground、新曲『Lying Awake』が描く内省と疾走

アーティストが内面と向き合い、音楽で自分を掘り下げるとき、そこに生まれるのはただの楽曲ではない。これはひとつの「語り」だ。

Notes From Under Groundというプロジェクト名を見て、すぐにピンと来た人もいるかもしれない。そう、ロシア文学の巨匠ドストエフスキーの代表作『地下室の手記』からの引用だ。そして、この名義で音楽を届けるのは、人気インディーバンドLast Dinosaursのギタリスト、Lachlan Caskey。

彼が“もう一人の自分”として始めたソロプロジェクトが、5月20日に新曲「Lying Awake」をリリースした。
▶︎ 配信リンク:
https://eryngii.art/lyingawakePR

このシングルは、6月20日リリース予定のEP『American Grace & Guilt』からの第2弾先行曲。前作「It’s A Beautiful Time To Live」での鮮烈な印象をさらに深化させる内容になっている。

「Lying Awake」は、鋭いギターリフと疾走感のあるビートに、実存的な問いが重なる1曲。Caskey自身の言葉を借りれば、「世界の終わりで愛に翻弄されるような目まぐるしい感覚」が込められているという。軽やかでありながら、内省的。生きづらさと希望の両方を抱えたこの時代を、どうにか泳いでいくような音楽だ。

楽曲の多くは、彼がひと夏を過ごしたカナダ・トロントで書かれたもの。文化や環境の揺らぎの中で、自分自身と真っ正面から向き合った結果として、この作品群が生まれている。本人いわく、「このEPに収録されている楽曲の多くは、“ドストエフスキー的”な表現と結びつく視点や感情を反映している。それだけです。」

MVは、Caskeyの誕生日である5月23日にYouTubeで公開予定。
▶︎ MVリンク(5月23日公開予定):
https://youtu.be/pPlwmTUhLx4

そして、いよいよ6月20日にはEP『American Grace & Guilt』がリリースされる。プレセーブはこちらから。
▶︎ EPプレセーブリンク:
https://eryngii.art/americangraceandguiltPR

二重のルーツ(オーストラリアと日本)を持ち、文学と音楽、そして自身のアイデンティティを重ね合わせるNotes From Under Groundの表現は、どこか静かに、しかし確実に刺さってくる。

このEPが、今という時代の“地下室の手記”になることを期待せずにはいられない。

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