
5月7日に世界同時公開されたビョークのコンサート映画『ビョーク:コーニュコピア』が、東京・TOHOシネマズ日比谷をはじめとする全国9館での上映にもかかわらず満席が続出。上映延長や追加上映が急遽決定するほどの反響を受け、このたびイオンシネマ系列19館での全国拡大上映が決定した。上映期間は5月30日(金)から6月5日(木)までの1週間限定である。

ビョークが描く、終末後の希望と未来──「Cornucopia」という世界
『ビョーク:コーニュコピア』は、アイスランド出身のアーティスト、ビョークが5年にわたり展開したコーニュコピア・ツアーの集大成を映画化したものである。2023年、ポルトガル・リスボンのアルティス・アリーナで収録されたライブを基盤に、監督イーソルド・ウッガドッティルの手で、まさに音楽・映像・演劇・メディアアートが交錯する異次元の舞台がスクリーンに再構築されている。
演奏される楽曲は、『フォローラ』(2022年)、『ユートピア』(2017年)、『ヴァルニキュラ』(2015年)など近年のアルバムから構成されており、環境危機や再生をテーマにしたビョークの哲学がステージ演出にも色濃く反映されている。全編において彼女自身の手書きによる英語字幕が投影されるというディテールまで、あらゆる要素が「没入体験」のために設計されているのが特徴だ。
21世紀のVR体験が、19世紀の劇場へと舞い降りる
舞台美術、照明、映像、アニメーション──すべてが有機的に融合した本作は、コンサート映像という枠を超えて、観る者をビョークの世界観へと引き込む。「Cornucopia=豊穣」を名に冠した本作は、感覚の極限を問いかけるビジュアルの連打と、深い精神性に裏打ちされたメッセージによって、観客を現実から遠ざけ、終末後の“希望ある未来”へと誘う。まさに、ライブ・エンターテインメントの新たな地平である。

大ヒットを受けて全国のイオンシネマで上映決定
東京・名古屋での初期上映が大きな話題を呼び、急遽延長・追加上映が実現したことを受け、以下の全国19館での公開が決定した。関東から関西、そして九州まで、これまで観る機会のなかった地域でもついに上映される。
<イオンシネマ上映劇場一覧(5/30〜6/5、1週間限定)>
板橋(東京)/港北ニュータウン・座間(神奈川)/幕張新都心(千葉)/浦和美園(埼玉)/太田(群馬)/守谷(茨城)/新潟西(新潟)/新利府(宮城)/白山(石川)/名古屋茶屋(愛知)/茨木(大阪)/京都桂川(京都)/和歌山(和歌山)/広島西風新都(広島)/高松東(香川)/大野城・戸畑(福岡)/熊本(熊本)
ミュージックビデオ3本の特別上映付き
本編(1時間54分)に加え、ビョークが自らキュレーションした3本のミュージックビデオも特別上映される。オリジナル公演の臨場感と映像芸術としての完成度を兼ね備えた本作は、ビョークの真骨頂を味わう貴重な機会であり、ファンはもちろん、初めて彼女の作品に触れる者にも強く薦めたい。
予告編視聴・詳細情報は公式サイトにて:
▶︎ www.culture-ville.jp/bjork

photo by Santiago Felipe