欲望の先に、恋しさがいた ── xiihu「WHOREMONES (Deluxe)」で7曲が完成する物語

「the WHOREMONES made me miss you」 ── 8月にリリースされた4曲入りEP『WHOREMONES』から約2ヶ月、韓国・ソウルの電子音楽アーティストxiihu(シフ)が新たに3曲を加えたデラックス盤を10月7日にリリースする。欲望を大胆に宣言した前半から、その人が去った後の痛みへ ── 7曲でひとつの感情の弧が完成する。

欲望が恋しさへと形を変えるまで

オリジナルEP『WHOREMONES』では、誰かを求め、その欲望を自ら口にすることへの挑発的な肯定が核にあった。しかしデラックス盤で追加された3曲「SLT (all i need is U)」「marks」「aftercare」は、その対象が離れていった後の世界を描く。xiihu自身がこう語る ── 「望むものを隠さずに言葉にしたかった。でもその人が離れていってしまったら、欲望がそのまま恋しさへと形を変えたんですよね」。

3曲が描く、見えない痕跡の地図

「SLT (all i need is U)」は言葉遊びから始まる。「SLT」という単語の真ん中に抜け落ちた「U」を相手の中に探す ── プライドを捨てて空白を埋めようとしながら、命令のように繰り返される「All I need is U」が欲望と欠乏を同時に露わにする。

「marks」は、ちゃんと始まってすらいなかった曖昧な関係が残した目に見えない傷を問う。渡せなかったチェリーキャンディ、目覚めてすぐ確認するスマートフォン ── 些細な場面の断片から、相手の不在が具体的に浮かび上がる。心変わりを責める相手すら存在しない状態で、話者は痕跡を手探りし続ける。

最後の「aftercare」は、クラブの歓声とステージ裏の悲しみを同じ場面に置く。大勢が自分の名前を呼ぶ中で、本当に聴きたい声の主だけがそこにいない。怒りを飼いならし、相手の立場を考えてしまう後半部は、一方通行のアフターケアへの静かな問いで幕を閉じる。

元のEPが持っていた挑発的な態度とユーモアを消すことなく、その裏に隠れていた脆さと「愛されたい」という気持ちをむき出しにする ── それがデラックス盤の核だ。新曲3曲のミックスは韓国HIPHOPシーンで実績を持つsAewooが担当し、サウンド面から世界観に奥行きを加えている。

作詞からマスタリングまで、すべて自分で

xiihuは楽曲制作だけでなく、ミキシング、マスタリング、ビジュアルディレクション、スタイリングまでをひとつの世界として完結させるアーティストだ。2021年のデビューEP『Synthetic Heart』以来、ハイパーポップ、ハウス、クラブ・ミュージック、エレクトロポップを横断しながら、欲望、執着、人間関係という割り切れないテーマを自分の言葉で解き明かしてきた。2025年のフルアルバム『Signals』、2026年シングル「tellmenow」と積み上げてきた物語が、この7曲で新たな頂点を迎える。

xiihu『WHOREMONES (Deluxe)』
2026年10月7日リリース(全7曲)
追加楽曲:「SLT (all i need is U)」「marks」「aftercare」
各ストリーミングプラットフォームにて配信中

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