
葛飾北斎のスピリットが、令和の筆致と彫摺技術で蘇る。東京国立博物館・表慶館にて開催中の展覧会「浮世絵現代」に、スターシーズ株式会社が所蔵する木版画作品『画狂プロジェクト』が出品されている。展示は2025年6月15日(日)まで。
『画狂プロジェクト』は、葛飾北斎生誕260周年を記念し、北斎ゆかりの地である東京都墨田区で始動した木版画制作企画である。「画狂」とは北斎が自らに冠した異名。その精神を受け継ぐべく、現代を代表する10名の漫画家たちがそれぞれの視点から“浮世”をテーマに一枚絵を描き下ろし、職人の手により精緻な木版画へと昇華された。
参加作家は以下の通り(五十音順・敬称略):池上遼一、池田理代子、イリヤ・クブシノブ、こうの史代、さいとう・たかを、里中満智子、ちばてつや、バロン吉元、ビッグ錠、安彦良和。日本漫画史に燦然と名を刻むレジェンドから、グローバルに活躍する現代アーティストまでが名を連ねている点も注目である。



本展「浮世絵現代」では、『画狂プロジェクト』以外にも、アーティストやデザイナー、クリエイターたちが“絵師”として参加した新作木版画が多数並ぶ。いずれの作品も、伝統技術を今に伝える彫師・摺師との協働により生み出されたものであり、木版画というメディアの可能性と未来を改めて問い直すものとなっている。
江戸から続く視覚文化の系譜と、漫画という現代表現との幸福な融合。その成果をぜひ、会場で目撃してほしい。

展覧会情報
展覧会名: 浮世絵現代
会期: 2025年4月22日(火)〜6月15日(日)
開館時間: 午前9時30分〜午後5時
会場: 東京国立博物館 表慶館(東京都台東区)
アクセスはこちら
主催: 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション
共催: 公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団
こうした文化継承の一環として、スターシーズ株式会社は今後もアートへの支援と作品保存に力を注いでいくという。
気鋭と伝統が出会う、いま最も“粋”な浮世絵展である。