カンヌが認めた短編映画の輝きが今、オンラインで甦る ── BSSTOにて5月限定特集がスタート

国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2025」のオンラインサテライト会場として、ショートフィルム専門の配信プラットフォーム「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」が特別企画を展開中だ。第一弾は「カンヌ映画祭特集」。映画界最高峰の舞台で評価されたショートフィルム4作品が、5月の1ヶ月間、週替わりで日本初公開される。

本企画では、2024年のカンヌ国際映画祭にてパルムドールを獲得した『沈黙を破った男』をはじめ、各年の注目作がラインナップ。いずれも10分強の尺ながら、時代や国境、ジャンルを越えて、観る者の心に強く訴えかける力を備えた作品ばかりである。

第一週:5月7日〜

『沈黙を破った男』(The Man Who Could Not Remain Silent)
監督:ネボイシャ・スリイェプチェヴィッチ/2024年/13分42秒
舞台は1993年、戦火のボスニア・ヘルツェゴビナ。武装勢力に止められた列車の中、乗客500人のうち、ただ一人、理不尽に声を上げた男がいた。人間の尊厳と勇気を問う、今年のパルムドール受賞作。

第二週:5月14日〜

『最終フェリーに乗って』(The Last Ferry From Grass Island)
監督:リンハン・チャン/2020年/13分46秒
元殺し屋と、その過去を追う若者。静かな海に浮かぶ小島を舞台に、運命の再会が織りなす美しくもシュールな復讐劇。2020年カンヌ映画祭シネフォンダシオン受賞作。

第三週:5月21日〜

『蜂と紅茶』(Tea)
監督:ブレイク・ウィンストン・ライス/2024年/12分25秒
孤独な電器店員の、どこか壊れた恋のリハーサル。憧れの女性への一歩のはずが、予想外の痛みと甘さに変わる。主演はマイケル・ガンドルフィーニ(『ソプラノズ』新作出演)で話題の一作。

第四週:5月28日〜

『宇宙の彼方』(SIDERAL)
監督:カルロス・セグンド/2021年/15分26秒
ブラジル北部で打ち上げを待つ初の有人宇宙ロケット。その陰で、清掃員の妻が秘めた”もう一つの旅立ち”とは──。社会の周縁にある声に耳をすませる、繊細な逸品。


本特集の舞台となる「BSSTO」は、もともと横浜みなとみらいで運営されていた映画館「ブリリア ショートショート シアター」の流れを汲み、2018年よりオンライン展開をスタート。毎週水曜の新作配信を軸に、短編映画というフォーマットで世界中の才能と出会える場を提供している。会員登録をすれば、常時12本前後の作品が無料で視聴可能。映画の背後にある文化や社会背景に光を当てる読み物も充実しており、「映画を暮らしに取り込む」ヒントとしても機能している。

カンヌが見出した短編たちを、自宅で、あるいは移動中に。わずかな時間で世界の奥深さと触れあえる、贅沢な1ヶ月が始まった。

特集URL:https://sst-online.jp/magazine/17231/

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