
ニューヨークを拠点とするシューゲイズ・バンド、Hotline TNT(ホットライン・ティー・エヌ・ティー)が、6月20日にThird Man Recordsよりリリースされる3rdアルバム『Raspberry Moon』からの先行シングル第2弾「Candle」を発表。あわせて日本ツアー時に撮影されたミュージックビデオも公開された。
Hotline TNTは、中心人物であるWill Anderson(ウィル・アンダーソン)によるプロジェクトであり、これまでのDIYスピリットを携えつつ、最新作では初めてバンド体制で制作を行っている。ファーストシングル「Julia’s War」は、米Stereogumにて「かすんだようで力強く、キャッチーすぎるほどキャッチー」と評されたが、今回の「Candle」はより開かれた感情表現が前面に押し出された、純度の高いラブソングである。
ドラムは滝のように流れ、ノイジーなギターが重なり合う音像のなか、Andersonは「They don’t hold a candle to you / Nothing more than I can prove(あなたの足元にも及ばない/証明できるのはそれだけ)」と歌う。これは、過去を背にしながらも希望へ向かう者の決意と、胸の高鳴りをそのまま音に封じ込めたラブソングであり、理性を脱ぎ捨てて運命に身を委ねるような開放感を湛えている。
ビデオは、彼らの最新日本ツアーでのライブ映像を使用。Andersonは本楽曲について、「この曲は『Raspberry Moon』のために最初に作ったもので、ギターを手にした瞬間に自然とあふれ出た。構成に1%の力も要らなかった」と語っており、その直感の確かさを、日本の観客とのリアルな反応を通して確かめたという。「Candleはマジで“LIT(最高)”だよ」と、彼は笑う。
本作『Raspberry Moon』のレコーディングは、現代DIYシーンの英雄ともいえるAmos Pitschのスタジオにて敢行された。バンドにはギタリストのLucky Hunter、ベーシストのHaylen Trammel、ドラマーのMike Ralstonが加わり、初のフルバンド体制により制作された。そこには、個人の美学を超えて、仲間と共に築き上げた音楽ならではの温度が宿っている。
作品全体は、若さの感傷と成長の兆しが交差するような内容であり、チャーミングでユーモラス、そして普遍的なラブソングに満ちている。Will Andersonが自らの殻を破り、他者との関係性に心を開いたこのアルバムは、どの曲も耳を離れないフックにあふれており、口ずさむメロディを選ぶのに迷うほどである。
シングル「Candle」は現在配信中。アルバム『Raspberry Moon』は6月20日、Third Man Recordsよりリリース予定である。
■リリース情報

Hotline TNT(ホットライン・ティー・エヌ・ティー)
シングル「Candle」:配信中
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アルバム『Raspberry Moon』:2025年6月20日リリース予定
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収録曲:
- Was I Wrong?
- Transition Lens
- The Scene
- Julia’s War
- Letter to Heaven
- Break Right
- If Time Flies
- Candle
- Dance the Night Away
- Lawnmower
- Where U Been?