
アンビエント音楽家・北航平と演出家・中谷和代(ソノノチ)による新作ライブ『もし、この星にたった一人になったとしてもこの旅を続けるだろうか|』が、2025年5月23日(金)から25日(日)にかけて、京都・大徳寺近くの「アトリエみつしま Sawa-Tadori」にて上演される。音楽・身体・空間の三位一体で体験を編む、没入型のアンビエントライブである。
音楽を“観る”という体験へ
「観る音楽」と題された本作は、聴覚だけにとどまらない、感覚の深層に触れるライブ体験を目指す。演奏を担うのは、カリンバやアレイムビラ、竹楽器など、ジャンルや常識の枠を軽やかに飛び越えた楽器を自在に操る北航平。彼の奏でる音は、抽象画のようにいびつで、そしてどこか懐かしい。そこに、演出家・中谷和代の繊細な感性と、2人のパフォーマーによる身体表現が重なることで、音と肉体、時間と空間が緩やかに響き合う。
音に導かれながら思考がほどけていく ── それはまるで、自身の内面を旅するような感覚である。
タイトルが問いかける“営み”の本質
『もし、この星にたった一人になったとしてもこの旅を続けるだろうか|』というタイトルは、観客ひとりひとりへの静かな問いかけとなっている。ここでいう“旅”とは、創作、仕事、生活 ── 日々の営みそのものだ。
誰にも見られず、評価されなくても、それでもなお続けることができるだろうか。そんな根源的な問いは、私たちの価値観や行動を見つめ直すきっかけを与えてくれる。静謐な空間の中で、観客は思い思いの感情と向き合いながら、この旅の意味を確かめていくことになるだろう。


子どもと共に文化体験を
本作では、文化体験をひらかれたものとするため、子育て中の家庭にも配慮した「お子さん歓迎回」を設定。5月25日(日)11:30の回では、小さな子どもとともに作品を楽しめる時間が設けられている。静かな空間ではあるが、全身で音を感じるライブであるからこそ、年齢を問わず新鮮な体験が得られるに違いない。
アーティストの言葉に宿る世界観
北航平は、「かわいらしさ」や「いびつさ」といった要素を音に込めることを意識していると語る。その音は、耳で聴くだけでなく、空気の振動として身体で感じ取るものでもある。一方で中谷和代は、音楽と身体表現を通じて、「足元と銀河の果ての出来事を同時に見ているような感覚」を届けたいと話す。
この共鳴によって立ち上がる空間は、誰かと分かち合う以上に、自分自身と出会うための場所なのかもしれない。
『もし、この星にたった一人になったとしてもこの旅を続けるだろうか|』
(音楽:北航平/演出:中谷和代)
日程:
- 5月24日(土)13:00 / 16:00
- 5月25日(日)11:30★ / 15:30
- 公開リハーサル:5月23日(金)16:00
★…お子さん歓迎回
会場:
アトリエみつしま Sawa-Tadori(京都市北区紫野下門前町44)
チケット料金:
- ペアチケット:7,000円(2名分)
- 応援チケット:5,500円(差し入れ付き)
- 一般:3,800円
- 学割:3,000円
- 公開リハーサル:2,000円(数量限定)
※当日券は各+500円、公開リハは除く
※小学生以下・介助者(1名まで)無料・要申込み
チケット購入:https://sononochi.square.site
詳細情報:https://sononochi.com/moshitabi/
音楽を“聴く”のではなく“観る”。そして、そこに“感じる”という第三の感覚が流れ込む。
この春、京都で出会うべき新たな文化体験が、静かにその扉を開こうとしている。