はみ出し者のためのダークネス ── Pretenceが放つ新章「Outcast」

オーストラリア出身、現在はカナダを拠点に活動するプロデューサー/DJ、Pretenceがニューシングル「Outcast」をリリースした。発表元はHypnoVizion。昨年のデビュー作「Dragon」に続く本作は、彼の持ち味である緊張感とダークな空気感をさらに研ぎ澄ました一曲となっている。

静かに侵食するビルド、炸裂する低域

「Outcast」は、抑制の効いたスロービルドでじわじわと空間を支配し、やがて重厚な低音とタイトなパーカッションが解き放たれる構造を持つ。エレクトロの質感を帯びたシンセレイヤーと、不穏なスポークンワードが絡み合い、リスナーを深い没入へと引きずり込む。制御された進行の中に潜む爆発力 ── そのコントラストが、トラック全体に独特の緊張を生み出している。

“フィットしない”感覚から生まれるサウンド

Pretence自身が語るように、本作は“はみ出し者(Outcast)”のための楽曲だ。「どこにも完全には馴染めない」という感覚と、その逃避先としてのダーク・エレクトロニック・ミュージック。そうした個人的な内面が、音像として結晶化されている。大きな影響源として挙げるのはRezz。HypnoVizionからのリリースという文脈も含め、その系譜に連なるサウンドがここにある。

シドニーのレイヴから世界へ

シドニーのアンダーグラウンド・レイヴ・シーンから頭角を現したPretenceは、現在カナダを拠点に活動を拡大。MoretinやOmens Recordsといったレーベルから作品を発表し、CABLE、FETISHらとのコラボレーションも展開してきた。さらにNitti、Wax Motif、Dr. Fresch、Matroda、AC Slaterらからのサポートも受け、その存在感を急速に高めている。

HypnoVizionで確立する“影の美学”

HypnoVizionは、重低音と没入感を軸にしたダークなエレクトロニック・ミュージックを提示するレーベルとして知られる。その中で「Outcast」は、レーベルの美学とPretenceの個性が高いレベルで交差した一作だ。

孤独や違和感をエネルギーへと変換し、フロアに解き放つ ── 「Outcast」は、そんな現代的なクラブ・ミュージックのひとつのリアルを体現している。

Buy/Stream ‘Outcast’
https://hypnovizion.lnk.tt/outcast

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