革命はまだ終わっていない ── ブライアン・ジャクソン、伝説の楽曲群をマスターズ・アット・ワークとともに現代へ召喚する

「コラボレーションは刺激的だ、それは僕の血の中に流れている」 ── ブライアン・ジャクソンのこの言葉が、すべてを語っている。ギル・スコット・ヘロンとともに70〜80年代の黒人意識運動を音で牽引してきた彼が、2026年4月3日、BBEミュージックより新作アルバム『Now More Than Ever』を世に放つ。あの時代の名曲たちが、今この瞬間のために作り直された。

ギル・スコット・ヘロンとの遺産を、現在形で鳴らす

「Lady Day & John Coltrane」「The Revolution Will Not Be Televised」「Home Is Where The Hatred Is」「Winter In America」「The Bottle」 ── これらの曲名を聞いただけで、胸の奥に何かが灯る人は少なくないだろう。70年代、まだ二十代だったブライアンとギルは、ただ自分たちの目に映るものを、感じるままに書いた。それがいつしか、ひとつの世代の魂の記録になった。

「あの頃、僕たちは変革を求めていた。このアルバムは70年代に目指していたものへと繋がる道のひとつだ。抵抗が不可欠だった時代の記録であり、今また若い世代がその曲たちを受け取ってくれている」とブライアンは語る。そして彼はスライ・ストーンの言葉を引く ── 「曲は自分から生まれるが、それはあなたのものだ」と。

マスターズ・アット・ワークという、最強の伴走者

この壮大なプロジェクトのプロデュースを担ったのは、ルイ・ヴェガとケニー「ドープ」・ゴンザレスによる伝説のデュオ、マスターズ・アット・ワーク。ハウスとソウルの両岸を自在に行き来してきた彼らの手にかかれば、半世紀前の楽曲が現代のダンスフロアでも、静かな部屋のリスニング環境でも等しく輝きを放つ。

参加アーティストの顔ぶれもまた圧倒的だ。ブラック・ソート、ラハサーン・パターソン、ジョシュ・ミラン、ムーディーマン、オマー、J・アイヴィー、リサ・フィッシャー、ラヒーム・デヴォーン ── それぞれが一曲一曲に固有の解釈と体温を持ち込み、19曲にわたる作品集を多層的な声の織物へと仕上げている。

アルバムという形式への、真摯な賭け

トリプルヴァイナルLP、CD、そしてハイレゾ・デジタルという三形態でのリリースは、この作品がいかに「体験」として設計されているかを示している。フォーカストラックに選ばれた「We Almost Lost Detroit」というタイトルは、今この時代に鳴らされることの必然性をそのまま体現しているようだ。

「曲は正典として、あるいは個々の傑作として楽しめる」 ── そうブライアンは言う。順番通りに聴けば壮大なナラティブが浮かび上がり、一曲だけ取り出しても完璧に完結している。それがこのアルバムの強さであり、半世紀を越えてなお色褪せない楽曲たちの底力だ。

革命はテレビ中継されなかった。しかし、音楽は残った。そして今、それはかつてより大きな声で鳴り響こうとしている。

Brian Jackson
アルバム名:『ナオ・モア・ゼン・エヴァー』
『Now More Than Ever』
フォーマット:3×12”、CDとデジタル配信
発売日:2026年5月29日
Genre: R&B
Sub-Genre: Soul
カタログ番号:
CD: BBE800ACD
LP: BBE800ALP

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