
東京のカルチャーシーンから、ひとりのアーティストが静かに、しかし確実に次のフェーズへと踏み出す。プロデューサー/ミュージシャンの walter LR が、ソロEP『imperfect』と、ユニット DRLR によるシングル『narcolepsy』を同時リリースする。リリース日は2026年3月23日、いずれもレーベル 0Q0 より発表される。
かつて「LR」として活動していた彼にとって、本作は名義変更後の新たな指針を示す重要なステートメント。ソロとユニット、ふたつのフォーマットを通じて、その現在地を立体的に提示する。
グリッドを逸脱するグルーヴ──EP『imperfect』
『imperfect』は全4曲からなるEP。精密さと直感、その両極を行き来するリズム設計が核となっている。
パーカッションの緻密なレイヤーと、地を揺らすようなベースライン。そのあいだに生まれるのは、「ジャスト」と「レイドバック」の境界を意図的に揺らす独特のグルーヴだ。いわゆる“グリッド”に収まらない揺らぎは、単なるダンスミュージックを超え、身体感覚と知性の双方に訴えかけてくる。
オーガニックな温度感を保ちながらも、音響的には極めて精密。そのバランスこそが、walter LRの真骨頂だろう。
意識と睡眠の狭間で揺れる『narcolepsy』
一方、長年の盟友 Droittte とのプロジェクトDRLRによる新曲『narcolepsy』は、より内省的でドリーミーなアプローチが際立つ。
ぼやけた意識の中で、現実がゆっくりと流れていくような感覚。覚醒と睡眠のあいだを漂う“風”のような瞬間を、繊細な電子音と浮遊感のあるリズムで描き出す。
『imperfect』が身体を揺らすグルーヴの実験だとすれば、『narcolepsy』は感覚そのものを溶かしていくような音の体験。両作は対照的でありながら、同じ地平を共有している。
モデルとしての視点がもたらす“音の質感”
walter LR のキャリアはユニークだ。14歳からファッションモデルとして活動してきた経験は、彼の音楽にも色濃く反映されている。
そのサウンドには、どこか静謐な佇まいと視覚的な奥行きがある。ジャズやソウルに根ざした音楽的素養に加え、Wu-Tang Clan や Björk といった異なる文脈の影響が交差し、独自の音響美を形成している。
さらに、Sony や Dai Nippon Printing といった企業への楽曲提供、TAEYO や Cyber Rui らへのプロデュースワークを通じて、その技術と信頼性はすでに業界内で確立されている。
21世紀的アーバン・プログレッシブの現在地
walter LRの音楽は、既存のジャンル分けでは捉えきれない。それはトラックメイキングの枠を超えた、“21世紀的アーバン・プログレッシブ”とも呼ぶべきアプローチだ。
グルーヴの再定義、音響の再構築、そして感覚の拡張。『imperfect』と『narcolepsy』は、そのすべてを同時に提示する作品であり、リスナーに“音楽とは何か”という根源的な問いを投げかける。
不完全であること。曖昧であること。
そのあいだにこそ、新しい音は宿るのかもしれない。

Release Info
walter LR
『imperfect』
2026年3月23日リリース(Digital)
Streaming/SmartLink: https://linkco.re/3NznUY5Z
DRLR
『narcolepsy』
2026年3月23日リリース(Digital)
Streaming/SmartLink: https://linkco.re/MRr88Qta
レーベル:0Q0
