距離を越えて揺るがない感情へ ── ジェローム・トーマスが描く静謐な信頼の歌「Absence」

新世代UKソウルの中核を担うシンガー、ジェローム・トーマスが、プロデューサーのMakzoとLucid Greenを迎えた新曲「Absence」をリリースした。テーマは“物理的な距離”と“心の距離”のあいだに生まれる緊張。しかし本作が見つめるのは、不在がもたらす不安ではなく、離れていても揺らがない感情のあり方だ。

“離れていても近い”という感覚を音にする

「地理的な距離は、感情の距離を意味しない」。ジェローム・トーマスが語るこの一文は、楽曲の核心を言い当てている。過剰な言葉を使わず、淡い余韻の中で信頼と愛情を描くその筆致は、現代のモダンソウルが到達した成熟の証と言えるだろう。

ハックニー育ちの声が育んだ、感情に根ざした表現

ロンドン・ハックニーで育ち、幼少期から音楽に親しんできたジェローム・トーマスは、抑制の効いたヴォーカルと豊かなハーモニーで独自のポジションを確立してきた。『Conversations』『Moodswings Vol.1』『That Secret Sauce』『Submerge』といった作品群は、UKソウルの新たな感情表現の地平を切り開き、数々のメディアやラジオから支持を獲得している。

ロンドンで始まった三者の邂逅

本作の起点となったのは、2024年ロンドンで行われたFloFilzのライブ。そこでジェローム・トーマスとMakzoが出会い、プロジェクトが動き出した。カナダ生まれでロンドンを拠点とするMakzoは、J Dillaや9th Wonder、Ta-kuの系譜を感じさせるビートメイクで知られる存在。さらにブリストル拠点のフランス人プロデューサーLucid Greenが加わり、メロディアスでジャズ感覚のある音像を補強した。

温度を帯びていくサウンドデザイン

「Absence」は、しなやかなベースラインと穏やかなグルーヴ、余白を活かしたコードワークがゆっくりと温度を上げていく構造を持つ。ジェローム・トーマスの歌声は自然な呼吸でその上を滑り、D’Angeloを想起させる抑制美と、SiR以降のコンテンポラリーR&Bの空気感を同時にまとっている。加えて、クルアンビン、トム・ミッシュ、ノウレッジに通じるメロディ志向の感覚も漂う。

静かな自信が示す、モダンソウルの現在地

派手な装飾に頼らず、それでも確かに伝わる想い。「Absence」は、ジェローム・トーマス、Makzo、Lucid Greenによる初のコラボレーションとして、現代のソウル・ミュージックが持つ“静かな強度”を印象づける一曲だ。距離という概念を越え、感情の持続を丁寧に描き出す本作は、モダンソウルの現在地を端的に示している。

[作品情報]


アーティスト:Jerome Thomas, Makzo, Lucid Green
タイトル:Absence
ジャンル: R&B, Soul
情報解禁日:2026年2月27日(金)0:00AM
配信開始日&オンエア解禁日:2026年2月27日(金)
発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS
配信リンク:https://lnk.to/Jerome_Thomas_Absence

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