静かな雨音が導く新章 ── Nao Yoshioka×MXXWLL「In the Rain」に宿る回復のソウル

世界を舞台に活動するソウルシンガーNao Yoshiokaが、オーストラリアのプロデューサーMXXWLLとの共作シングル「In the Rain」を2026年2月27日にリリースする。2026年の幕開けを告げる本作は、声を張り上げることなく、呼吸の余白や空気の湿度までも伝えるような、静かな強度を湛えた一曲だ。リリースはSWEET SOUL RECORDSより。

森と雨、その感覚をそのまま音に

レコーディングはシドニー郊外、ナショナルパークに隣接するMXXWLLの自宅スタジオで行われた。制作当日、降り出した雨。湿った空気、土と木々の匂い、自然が静かに息づく音――そのすべてが楽曲の核となっている。「In the Rain」というタイトルは象徴ではなく、あの日その場にあった時間そのものを受け取った名前に近い。音の隙間に残る“深い呼吸”が、楽曲全体の温度を決定づけている。

回復というプロセスが生んだ創作

Nao Yoshiokaはこれまでパニック発作に悩まされてきたという。回復の過程で彼女を支えたのは、自然の中で過ごす時間だった。情報や刺激から距離を取り、自分の感覚を取り戻す。その体験を通して浮かび上がったのは、「自分を大切にする」という根源的で、しかし見失いがちな感覚だった。本作には、その気づきが過度な説明を伴わず、静かに滲み込んでいる。

70年代ソウルの記憶と2026年の現在地

サウンドは、70年代ソウルを想起させる温度を帯びながらも、決してノスタルジーには留まらない。装飾を削ぎ落とし、声とグルーヴの関係性にフォーカスしたアプローチは、彼女が“ソウルシンガーであること”を再確認させると同時に、2026年という現在地を的確に指し示す。ここで鳴らされるソウルは、過去の様式ではなく、身体感覚としての現在形だ。

声を張り上げずに始まる、新しい章

「In the Rain」は強く主張する楽曲ではない。だが、静かに長く残る。
世界を巡り、多くの経験を重ねてきたNao Yoshiokaが、あらためて自分自身と向き合い、自然の中で呼吸を整えた先に生まれた音。その最初の記録が、この一曲である。

彼女は本作について、「自然に身を委ねることで少しずつ本来の自分を取り戻していく過程を描いた」と語る。忙しさの中で聞こえなくなっていた自分の声が、静かにほどけていく感覚。都市の中でも、どこにいても、ふと“自分に戻りたくなる瞬間”に寄り添う楽曲だ。

静寂の中で確かに鳴るソウル

喧騒ではなく、静寂から始まる物語。
「In the Rain」は、外界ではなく内面に降り注ぐ雨を描いた作品だ。呼吸を整え、自分自身の声をもう一度聴き直すためのソウル。その穏やかな決意こそが、Nao Yoshiokaの新章の輪郭を静かに照らしている。

[作品情報]


アーティスト:Nao Yoshioka, MXXWLL
タイトル:In the Rain
ジャンル:R&B, Soul, Neo-Soul
情報解禁日:2026年2月20日(金)12:00
配信開始日:2026年2月27日(金)
発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS
配信リンク:https://naoyoshioka.lnk.to/ITR

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