境界を攪乱する低音の航跡 ── Surusinghe初来日、代官山の深夜に開く異次元クラブ体験「Craic」

3月19日(木・祝前日)、代官山のSaloonにて、オーストラリア出身/ロンドン拠点のDJ・プロデューサー、Surusingheの初来日公演を軸としたイベント「Craic feat. Surusinghe」が開催される。ベース、テクノ、エレクトロニックを横断する先鋭的なラインナップが集結し、現代クラブミュージックの最前線を濃縮した一夜となりそうだ。

実験性と機能性が共存する“エイリアン・クラブ・ミュージック”

DJ/プロデューサーにとどまらず、プロモーションやレーベル運営、コミュニティ形成まで多層的にシーンへ関与するSurusinghe。ブレイクビート、レゲトン、ブロークンビート、テクノを自在に横断するそのサウンドは、海外メディアから「エイリアン・クラブ・ミュージック」「サイケデリックな悪夢をウェアハウス仕様に研ぎ澄ました音」と評されてきた。速度と緊張感を維持したまま展開する予測不能なセットは、フロアを集団的な没入状態へと導く。

先鋭レーベル群が裏付ける現在地

プロデューサーとしては、AD 93、Steel City Dance Discs、TraTraTraxといった現代クラブミュージックの中枢を担うレーベルから作品を発表。ピークタイム志向でありながら、安易な高揚に回収されない構築性が高く評価されている。さらに共同設立したプラットフォーム〈DRIFTING〉では、新鋭プロデューサーや新しいサウンドを紹介し、音楽中心のコミュニティ形成を推進。その活動姿勢は、クラブカルチャーの持続性に対する実践的アプローチとしても注目を集めている。

世界のフェス/クラブを横断する急加速のキャリア

2025年には、DGTL、Nowadays、GALA Festival、Outlook Origins、Dekmantelなど世界各地の主要フェス/クラブへ出演。ニューヨークからロンドン、クロアチア、アムステルダムへと連なる現場を横断しながら、グローバルシーンでの存在感を急速に拡張している。

国内勢との交錯が生む、この夜だけの密度

本公演では、Dayzero、Romy Mats、YUVIE、shirakosound、BLUEMEW、HAYATEといった国内アーティストが共演。多様な音の文脈が交錯することで、Surusingheのセットが持つ対位法的なアプローチ――他のフロアの流れを意識しながら差し込まれる緊張感――が、より鮮明に浮かび上がるだろう。

レイヴを“責任ある行為”として捉える倫理

Surusingheにとってレイヴとは単なる消費ではなく、責任を伴う行為だという。その思想は、ラインナップ構築やコミュニティ運営にも貫かれている。踊ることの価値を次世代へ手渡すという意志が、彼女のキャリアを内側から駆動させているのだ。

代官山の地下で立ち上がる、緊張と余白に満ちた音響体験。現代テクノ/ベースミュージックの核心へと鋭利な軌道を描くSurusingheの初来日公演は、日本のフロアに新たな重力をもたらす一夜となるはずだ。

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