

Dirtybirdの注目株として頭角を現す2人、ジュリアン・サケリとマイク・ケリガンがコラボレーション・シングル『Inhibitions』をリリースした。本作はレーベルの制作キャンプ企画〈Flight Week〉から生まれた第6弾作品。ピークタイムのフロアから、果てしない深夜帯まで ── 止まることなく身体を駆動させる、機能美に満ちたトライバル・ハウスがここにある。
ノンストップで駆け抜ける、機能するグルーヴ
『Inhibitions』は、ローリングするパーカッションとテック感を帯びたシンセ・リード、そして重心の低いキックが緊密に噛み合う“止まらない一曲”。クラシックなトライバル・ハウスの文脈を踏まえつつ、リズムとテクスチャーの微細な変化によってエネルギーを持続させる構造が印象的だ。派手な展開に頼らず、グルーヴそのものの推進力でフロアを支配する、実用性と陶酔感を兼ね備えたトラックに仕上がっている。
“あの頃のトライバル”を現代に再起動
制作についてジュリアン・サケリは「かつてのトライバルな感覚を取り戻したかった」と語る。確かに本作には、2000年代初頭のフロアを熱狂させた部族的高揚が現代的な音像で再構築されている。過去へのオマージュでありながら、2026年のクラブで機能する更新形 ── それが『Inhibitions』の核心だ。
それぞれの軌跡が交差するコラボレーション
マイアミを拠点とするジュリアン・サケリは、デュオBlack V Neckのメンバーとしても知られ、フェスティバルからクラブまで幅広い現場で存在感を発揮してきた。一方、サンフランシスコのマイク・ケリガンは、2020年のコンピ参加を皮切りにDirtybirdの主要アーティストへと成長。ベイエリアのプロデューサーn808との共作などを経て、着実にフロア志向のサウンドを磨いてきた。両者のキャリアが交差することで、即戦力のクラブ・トラックとしての完成度が一層高められている。
Dirtybirdと〈Flight Week〉が育む創造の場
本作が生まれた〈Flight Week〉は、Dirtybirdが2025年に始動したクリエイティブ・キャンプ企画。コミュニティやウェルネスの要素も取り込みながら、アーティスト同士のコラボレーションを促進する実験的な場として機能している。レーベルが長年培ってきた“風変わりで愛すべき”美学は、本作でも健在だ。
クラブのピークタイムでも、朝方のロングセットでも、『Inhibitions』は絶え間ない運動を生み出す。抑制を解き放ち、ただグルーヴに身を委ねる ── その原初的な快楽を、2人は現代のフロアへと鮮やかに呼び戻してみせた。

Buy/Stream ‘Inhibitions’
https://dirtybirdrecs.ffm.to/inhibitions
