原点と現在が交差する瞬間 ── メトリック、10作目となる新作『Romanticize The Dive』を発表

エミリー・ヘインズ率いるカナダのオルタナティブ・ロック・アイコン、メトリックが、通算10作目となるニューアルバム『Romanticize The Dive』を2026年4月24日にリリースすることを発表した。同時に公開されたのは、アルバムの幕開けを飾るリード曲「Victim Of Luck」と、そのノスタルジックなミュージックビデオ。20年以上にわたり独自の道を歩んできたバンドが、いま改めて“始まり”を見つめ直している。

「Victim Of Luck」が映し出す、若さと不完全さのロマンス

新曲「Victim Of Luck」は、メトリックがキャリア初期に抱えていた不安や脆さ、そして飢えるような衝動を率直に掘り起こした楽曲だ。アルバムのオープニングを担うこの曲で、エミリー・ヘインズはスターダムを掴む直前の自分自身を振り返り、欠点や迷いすらも抱えたまま前へ進もうとする姿を描き出す。

エミリーはこの楽曲について、「完璧ではない人生を生きることのロマンスを歌っている」と語る。成功も失敗も、幸運も不運もすべてを引き受けたうえで、それでも続けていくこと。その地道な積み重ねこそが、メトリックというバンドの核なのだ。

アーカイブ映像が紡ぐ、過去と現在の往復運動

同時公開された「Victim Of Luck」のミュージックビデオには、これまで未公開だったバンド初期の日常風景が数多く収められている。車移動の車内、煙草をふかす姿、クラブでの演奏、簡素な楽屋での無邪気な時間。現在の姿と過去の映像が重なり合うことで、メトリックが歩んできた時間の厚みが静かに浮かび上がる。

映像の中では、インディー・スリーズ時代を象徴するフォトグラファー、ザ・コブラスネークことマーク・ハンターとの再会も描かれる。ロサンゼルスで活動を始めた当初から彼らを撮影してきた存在との再タッグは、本作が単なる回顧ではなく、現在進行形の表現であることを物語っている。

ニューヨークで再び火を灯した制作プロセス

『Romanticize The Dive』の制作にあたり、メトリックはバンドの出会いの地であるニューヨークへと戻った。インディーロックが最も熱を帯びていた時代の空気を今なお宿すエレクトリック・レディ・スタジオでのレコーディングは、初期の高揚感と混沌を呼び覚ますものだったという。

プロデュースには、『Fantasies』『Synthetica』でもタッグを組んだギャヴィン・ブラウンが再登板。共同プロデューサーとしてジミー・ショーとリアム・オニール、ミックスにジョン・オマホニーが加わり、2000年代初頭の精神性を2026年の文脈へとアップデートしている。

独立を貫いてきたMETRICという存在

メトリックは、エミリー・ヘインズ、ジミー・ショー、ジョシュア・ウィンステッド、ジュールズ・スコット・キーからなる4人組。20年以上にわたりメンバー交代なく活動を続け、メジャー契約を断り自主レーベルを設立するなど、常に自分たちの表現とキャリアの主導権を守ってきた。

Pitchforkが「カナダのインディーロック界のアイコン」と評したように、METRICの歩みは稀有な成功例であり、同時にインディーであり続けることの可能性を体現している。

10作目が示す、これからのメトリック

『Romanticize The Dive』は、過去への郷愁に留まる作品ではない。若さの衝動、不完全さ、続けることの価値──それらを再確認したうえで、メトリックはなお前を向く。リード曲「Victim Of Luck」は、その姿勢を象徴する一曲だ。

20年以上のキャリアを経てもなお、自分たちの現在地を問い続けるバンド。その誠実さと強度こそが、メトリックが今もカルチャーの中心に立ち続ける理由なのだろう。

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