
アンビエント/エクスペリメンタル・ミュージックの最前線を歩み続けてきた二人、ジュリアナ・バーウィックとメアリー・ラティモア。長年にわたり友情と共演を重ねてきた盟友同士による、初のフル・コラボレーション・アルバム『Tragic Magic』が完成した。デジタル版は2026年1月16日、日本盤CDは2月20日にリリースされる。
“必然”として生まれたコラボレーション
2019年には共に来日も果たし、ツアーや作品を通じて交流を深めてきた二人にとって、本作は自然な流れの先に辿り着いた結晶と言える。声を幾層にも重ね、霊的とも言える空間を描いてきたジュリアナ・バーウィックと、ハープという伝統的な楽器を用いながら現代的なアンビエント表現を切り拓いてきたメアリー・ラティモア。その感性が真正面から向き合い、静かに溶け合っている。
歴史的楽器が息づく、親密な音の風景
録音は、パリ・フィルハーモニー内の「音楽博物館(Musée de la Musique)」に特別アクセスして行われた。18世紀から19世紀にかけてのヴィンテージ・ハープ、アナログ・シンセサイザー、そしてバーウィックの声が有機的に重なり合い、時間と空間を超えたようなサウンドスケープを形作っている。その響きは静謐でありながら、人の体温や呼吸を確かに感じさせる。
世界が称賛する「完璧な組み合わせ」
先行シングル「Perpetual Adoration」「Melted Moon」はリリース直後から高い評価を獲得。NPRは「これまで実現していなかったことが不思議なほど完璧な組み合わせ」と評し、BBC 6 Musicのローレン・ラヴァーンも「時間をかけて開かれていく、絶対的にグロリアスな楽曲」と絶賛した。Uncut、Mojo、The Guardian、Pitchfork、Resident Advisorなど主要メディアが次々と本作を取り上げ、2026年を代表するアンビエント作品の一つとして位置づけている。
悲劇と魔法、そのあいだに生まれる光
『Tragic Magic』というタイトルが示す通り、本作には喪失、祈り、記憶、再生といったテーマが静かに織り込まれている。しかし音楽は決して重く閉じることなく、音が音を癒やし、共鳴が新たな光を生むプロセスそのものを丁寧にすくい上げていく。劇的な展開を避けながらも、深い余韻と感情の揺らぎを残すその音世界は、聴く者を内省へと導く。
二人のキャリアを刻む、特別な一枚
それぞれがソロ作品で築いてきた評価を背負いながら、『Tragic Magic』では「共に演奏すること」そのものが核となっている。即興性と慎重さ、親密さと距離感。その絶妙なバランスが、このアルバムに独特の緊張感と温度を与えている。アンビエントやポスト・クラシカル、現代音楽を愛するリスナーにとって、長く寄り添う一枚となるだろう。
静かで深い“魔法”の記録 ── 『Tragic Magic』は、二人の歩んできた道と相互理解が結実した、極めて重要なコラボレーション作品である。

『Tragic Magic』
Artist: Julianna Barwick & Mary Lattimore
Title: Tragic Magic
Label: PLANCHA / InFiné
Cat#: ARTPL-250
Format: CD / Digital
CD Release Date: 2026.02.20 (CD) / 2026.01.16 (Digital)
Price(CD): 2,300 yen + tax
※解説付き予定
