45年分の洋楽愛で迎える新年──「ベストヒットUSA」80s回帰のアニバーサリーSP

2026年の幕開けを飾るのは、日本の洋楽史そのものと言っていい長寿番組「ベストヒットUSA」の45周年記念スペシャルだ。1月1日放送の特別編では、番組の原点である80年代にフォーカスし、世代も表現も異なる二人のカルチャーアイコン、いとうせいこうと宇多丸(RHYMESTER)が、それぞれの「80s TOP5 SONG LIST」を発表する。

45年続くという奇跡──「ベストヒットUSA」という文化装置

1981年にテレビ朝日でスタートし、2003年からはBS朝日に舞台を移しながら放送を継続してきた「ベストヒットUSA」。VJを務めるのは、放送開始当初から一貫して番組の顔であり続ける小林克也だ。

洋楽を“紹介する”にとどまらず、アーティスト本人の言葉や背景まで掘り下げてきたこの番組は、日本における洋楽受容のかたちを決定づけてきた存在と言える。AIによる“80年代の小林克也”の再現や、初のファンイベント開催など、45年目にしてなおアップデートを続けている点も特筆すべきだろう。

80年代を生きたリスナーの記憶を呼び覚ます選曲

今回のスペシャルでは、番組が始まった80年代に立ち返り、いとうせいこうと宇多丸がそれぞれの「80s TOP5 SONG LIST」を披露する。

前半では、80年代の空気をリアルタイムで吸い込みながらカルチャーを横断してきた、いとうせいこうが登場。彼が当時愛聴していた5曲とともに、「ベストヒットUSA」が残してきた貴重なアーティスト・インタビュー映像も紹介される。洋楽ファンなら誰もが胸を熱くするアーカイブだ。

宇多丸が語る「80s=憧れの原風景」

後半は、番組への深い愛を公言する宇多丸が3年ぶりに出演。小林克也との音楽談義を交えながら、彼自身の「80s TOP5 SONG LIST」をひもといていく。

ヒップホップという文脈から語られる80年代の洋楽は、単なる懐古ではなく、いまなお更新され続ける“原体験”として立ち上がる。過去の名曲を振り返るだけでなく、最新のヒットチャートも紹介される構成が、この番組らしい時間軸の往復を生み出している。

過去と現在をつなぎ、50周年へ

「45周年」と聞くと一瞬軽やかに感じられるが、それは積み重ねられた時間と信頼の証でもある。小林克也が語るように、時代の変化を実感しながらも音楽の魅力を伝え続けることは決して容易ではない。

それでも「ベストヒットUSA」は、80年代の記憶と現在のヒットを同じ地平で鳴らし続ける。2026年元日のこの1時間は、過去を懐かしむためだけでなく、音楽とともに生きてきた時間を再確認するための特別な夜になるはずだ。

番組情報
「ベストヒットUSA HAPPY ANNIVERSARY NEW YEAR SPECIAL」
放送:1月1日(木)よる11時〜深夜0時
放送局:BS朝日
VJ:小林克也
ゲスト:いとうせいこう、宇多丸(RHYMESTER)

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