リー・バリッジ × ロスト・デザート、情景を描く新EP──冬の空気をまとった3曲で描く“夢の続き”

ADIDを象徴する二人が紡ぐ、静かな高揚

エモーショナルでメロディックなハウスの潮流を牽引してきたリー・バリッジと、その世界観を共に育んできた盟友ロスト・デザートが、新作EP『November Snowflakes』を All Day I Dream からリリースした。アートバーゼル開催に合わせ、12月の「Art With Me Miami」公演を前に届けられた本作は、冬の空気を纏うような柔らかさと、二人が長らく築いてきた呼吸のようなケミストリーが鮮やかに刻まれた3曲を収録している。

穏やかな余韻、淡い光、そして遊び心──3曲が描く“静かな物語”

EPは、スロービルドの暖かな輝きが広がる「Memories Remain (November Snowflakes)」で幕を開ける。漂うヴォーカルと揺れるリズムが、霧の向こうに差し込む光のようにじんわりと胸に染み込む一曲だ。

続く「Ash & Ember」は、より瞑想的なムードへ。微細な緊張と穏やかな余白が同居し、内面をそっと照らす静かな温度感をもつ。そしてラストの「April Fools」は、ほんの少しの遊び心を覗かせながらも、情緒の軸はぶらさない。いずれも独自の表情をもちながら、EP全体としてはADIDらしい一続きの“心象風景”として滑らかに繋がっていく。

Lost Desert

リー・バリッジの現在地──ドキュメンタリー上映を経て

本作は、バリッジにとって2023年以来となるオリジナル作品。彼の40年にわたる旅路を追ったドキュメンタリー『Sound of a Dream』がDoc’n Rollで上映された直後のタイミングでもあり、香港90年代のアンダーグラウンドから、ロンドンの“Tyrant”時代、そして2011年のブルックリンでの All Day I Dream 創設まで──その軌跡の延長線上にある作品となった。

『November Snowflakes』に流れる温かさと透明感は、長年にわたりシーンの変遷を見つめ、世界中に“夢見る空間”を作り続けてきた彼の現在地を静かに示しているようだ。

ADIDを支える存在へと成長したロスト・デザート

ロスト・デザートは、2016年にリー・バリッジとの「Lingala」でADIDデビューして以来、レーベルの象徴的アーティストへと成長。ソロEP、コラボシリーズ『Lost Desert & Friends』、そしてツアーでも常に存在感を放ち、ADIDの音を世界へ広げる一翼を担ってきた。今年はEP『Saudade』で幕を開け、ツアーにも参加。Leeとのコンビネーションはもはや“ADIDの心臓部”と言っていい。

マイアミ公演を控えた、冬の訪れを告げる一枚

『November Snowflakes』は、12月6日にマイアミ・Wynwood Arts DistrictでのADIDショーケースを控えるタイミングでのリリース。冬の訪れを告げるように、静かで温かい余韻を宿しながら、二人が描いてきた“夢の続き”を柔らかく広げる作品となっている。

Buy / Stream November Snowflakes
https://orcd.co/novembersnowflakes

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