
40年のキャリアを持つ“ハウスの建築家”が、初めてPlanet Eの扉を叩く
シカゴ・ハウスの黎明期からシーンを作り続けてきた K’Alexi Shelby が、カール・クレイグ主宰のPlanet E Communications から新シングル「Ancestral Rhythm」をリリースした。キャリア40年以上にしてPlanet E初登場となる意義深い一作であり、トニー・ラヴレスをフィーチャーしたオリジナルに加え、カール・クレイグ自身による C2 Edit も収録した12インチ/デジタルEPとして発表された。
9分間の“トランス状態”──古典と未来が交差する、骨太ハウス・ジャーニー
「Ancestral Rhythm」は全9分に及ぶロングフォームで、疾走するマシン・リズム、土着性を思わせるパーカッション、そして高揚へと向かうテクスチャーが重なり合う“恍惚の構造物”だ。Klassik Mixでは、Shelbyとラヴレスが持つリズムへの本能的なアプローチが前面に押し出され、シカゴとデトロイト──ハウスとテクノ──その密接な遺伝子をつなぐような音像が描かれている。
ハードウェアのざらつきと、有機的な音の躍動。それらがひとつの円環を描くように展開し、“Ancestral(祖先的)”というタイトルの通り、ダンスミュージックの根源へと迫る作品となっている。
フランキー・ナックルズ、ラリー・ハードの系譜を継ぐ、シカゴのオリジネーター
K’Alexi Shelby は、フランキー・ナックルズ、ロン・ハーディ、ラリー・ハード、マーシャル・ジェファーソン、マイク・ダンといったハウスの巨人たちの仲間であり継承者である。「Essence of a Dream」などのアシッド/ディープハウス作品、そしてTransmatからの名盤「All for Lee-Sah」で、その名をシカゴとデトロイト双方の歴史に刻んできた。
Trax、DJ International、Transmat、Djax-Up-Beatsといった名門レーベルからのリリースを経て、40年にわたり“ルーツを未来につなぐ”活動を続ける稀有な存在である。

“Ancestral Rhythm”──時代を超えて受け継がれるビート
Carl CraigのPlanet Eが送り出す今作は、単なる新作以上の意味を持つ。
それは、シカゴとデトロイト、ハウスとテクノの歴史を知る者だからこそ鳴らせる、ダンスミュージックの“原初のリズム”を現代へ更新する試みでもある。
K’Alexi Shelbyの新境地であり、同時にクラシックへの回帰でもある「Ancestral Rhythm」は、いま再び“レジェンドの現在地”を示す一曲と言える。
Stream: K’Alexi Shelby – Ancestral Rhythm (feat. Tony Loveless)
https://planete.lnk.to/uxc1zm
