
20周年イヤーのDirtybirdから届く、フライト・ウィーク最新作
マイアミを拠点に活動するデュオ Black V Neck と、LAのテクノ/ハウス・アクト SHADED がチームアップした新曲「Salmon」が、Dirtybirdの“Flight Week Writing Camp”シリーズ第4弾としてリリースされた。レーベル20周年を彩る特別企画の中でも、ひときわ耳を奪う仕上がりとなっている。
流れる、波打つ、跳ね上がる──“サーモン”的エネルギーに満ちたフロア・トラック
その名の通り「Salmon」は、波紋のように広がるシンセと、滑らかに泳ぎ回るようなベースラインが印象的だ。軽やかさの中にもタイトな推進力が宿り、細部まで緻密に作り込まれたパーカッションがフロアを力強くグルーヴさせる。
Dirtybird作品ならではの“クセの強さ”と“遊び心”をしっかりと保持しつつ、Black V NeckとSHADEDそれぞれが持つプロダクション・センスが絶妙なバランスで同居している。まさにFlight Weekの創造性が生む熱量をそのまま封じ込めた1曲と言える。
Black V Neck──Dirtybirdの“ひな鳥”から、主力へ
Black V Neck(Ian & Julian)は、2018年の「Stop ‘N Go」でBirdfeedに初登場して以降、Dirtybird内部でゆっくりと存在感を増してきたデュオだ。翌年には「Mouth Music EP」で本レーベルに昇格し、2020年の『Bounce EP』、2021年のCampout Compilationなど着実にカタログを積み重ねてきた。今年はDirtybird 20周年の幕開けを飾った「Check My Brain」やCampout出演など、まさに“Dirtybirdの現在”を象徴する立ち位置へと成長している。

SHADED──世界のアンダーグラウンドを震わせるクラブ職人
一方、SHADEDはそのアグレッシブでクラブ直結型のサウンドで、パトリック・トッピングやロコ・ダイス、マルチネス・ブラザーズといったトップDJから強い支持を集めてきた。ジョン・サミット主宰のExperts Onlyやジェイミー・ジョーンズのHot Creationsなど、名門レーベルにも作品を残しており、Dirtybirdには2020年の『Holla Atcha Boy EP』で初参加。2022年のHeavy Heatersにピックアップされた同名曲は今でもフロアで高い反応を得る。
今回の「Salmon」は、両者の持つユーモアとクラブスキルが“Dirtybird的文脈”で見事に交わったコラボレーションである。

Flight Weekがもたらす、コミュニティの創造性
Flight WeekはDirtybirdが2025年に開始した新プロジェクトであり、アーティストたちを一週間にわたりスタジオへ集め、音楽制作・イベント・コミュニティ交流を融合させた企画である。「Salmon」はその創造的な環境から生まれた最新作であり、ブラック・ヴェックとSHADEDを“次世代のDirtybirdプレイヤー”としてより強く印象づける一曲となった。
Buy / Stream ‘Salmon’
https://dirtybirdrecs.ffm.to/salmon
