TDJ『SPF INFINI』シリーズ最終章──AEXHYが描く、感情と幻想のレイヴ宇宙

20曲で紡ぐ“エモーショナル・レイヴ”の旅路

モントリオール発のトランス・アーティスト、TDJが手がける人気コンピレーション/ビデオシリーズ『SPF INFINI』がついに最終章へと到達した。シリーズ5作目にしてラストを飾るのは、ドイツの新星プロデューサーAEXHYをフィーチャーした『SPF INFINI: AEXHY』である。

20曲を収録した55分間のミックスは、AEXHYの音楽的領域を“全方位で”体験する構築的な旅となっている。150BPMのエモーショナルな導入から、恍惚的なトランス、さらにはハードコアの領域まで──感情の振幅とテンションの高低を大胆に横断しながら、彼独自のレイヴ観が立ち上がる。

AEXHY自身も「ずっと憧れてきたSPF INFINIの世界の一部になれたことは、夢の実現である」と語り、この特別な機会に自身の“全音域”を詰め込んだことを明かす。

宇宙船から届けられる、幻想と熱量のライブ映像

本作に付随するビデオ作品は、SPF INFINIの宇宙船内部で撮影されたもの。AEXHYの持ち味である“脆さと力強さ”“幻想と肉体性”が混ざり合うビジュアル世界が完成している。

テンポもムードも自在に可変しながら、エモーションの極端を行き来するそのライブセットは、これまでのSPF INFINIシリーズの中でも最も劇的な映像体験と言えるだろう。レイヴの陶酔と内面性、その両極を真正面から描く姿勢は、TDJのプロジェクトが掲げてきた“誠実さと逃避(escapism)”の精神をより鮮烈に映し出している。

TDJが提示する、新章完結の意味

『SPF INFINI: AEXHY』は、アーティストが持つ感情の強度やコミュニティ性を重視するTDJのキュレーション哲学を象徴する作品である。今作をもって、特別なアーク(章)として展開されてきたシリーズの一区切りがつくことになる。

AEXHYの世界観は、その最終章にふさわしい“感情の渦”と“レイヴの未来”を提示しており、SPF INFINIが描いてきた物語を美しく結ぶ鍵となっている。

トラックリスト

(主なコラボレーター:Sonny Smiles、DJ GHEPARD、Ninguno、1luu、Paul Seul、Zvonimir ほか)

・Aexhy, Sonny Smiles – Let Them Talk (Dimensional Version)
・Sonny Smiles – I Can Be Myself With U
・Aexhy, Pro Athlete – Remember U
・Aexhy – The System Never Fails
・FLUCC – i swam in a sea of love but it was just an illusion
・IceLipzz, LØUS, slushhitten – Bad Girl
…ほか 全20曲収録

AEXHYとは

ジャンルの境界を漂いながら、情動そのものを音に変換する新世代プロデューサー。トランス、レイヴ、ハードコアを自由に行き来し、内面の傷やファンタジーを大胆に音像化する独自性で注目を集めている。音楽を“自己表現”として貫く強さと繊細さを併せ持ち、コミュニティを巻き込むアーティストとして急速に存在感を高めている。

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