
VETHELの特集企画「音楽と〇〇」は、音楽と寄り添うさまざまなサブカルチャーとの交わりを探るインタビューシリーズ。〇〇はアートやゲーム、漫画、映画、ガジェット、建築、グルメ、旅行、乗り物、スポーツ、アウトドア……など何でもあり。音楽とその界隈の関係を語っていただきます。今回のゲストは?
ステージで輝くアイドルにとって、音楽とメイクはどちらも“表現”の手段だ。無名上京アイドルの結名は、その両方を通して自分を磨き、強くも優しい存在であろうとしている。幼少期からダンスに打ち込み、ステージの光を夢見て育った彼女。やがてメイクという新たな表現を手にしたとき、自分の内面までも変化していったという。まつ毛の角度ひとつ、チークの入れ方ひとつで「見える自分」と「感じる自分」が変わる ── 。チアリーディングで培った表情づくりや、アイドル活動で磨いたメイクのこだわり。その全てを結名は“音楽と一体化した自己表現”としてステージに乗せている。メイクを武器に、そして音楽を翼に、彼女は今日も自信をまとってスポットライトを浴びる。

ダンスで人を笑顔にできるんだ
VETHEL まず、アイドルを目指したきっかけから教えてください。
結名 小学校のころからダンスを習っていて、E-Girlsさんの曲で踊ったことがあったんです。そのときに「歌って踊る」MVを見て、すごくかっこいいなって思いました。それから母が三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEさんのファンで、一緒にライブを観に行ったとき、ステージの輝きに圧倒されて……「ダンスで人を笑顔にできるんだ」と感じて、自分もああいう存在になりたいと思ったのが原点です。
VETHEL 音楽的に影響を受けたアーティストはだれですか?
結名 Girls²(ガールズガールズ)さんや、海外だとディズニーチャンネルがすごく好きで。『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』やダウ・キャメロンさんのような、ポップで明るい音楽に惹かれました。みんなが自然と好きになるような“分かりやすいポップス”が好きですね。
海外のクリエイターは自分では真似できないくらい大胆だけど、見ていて気持ちいい
VETHEL ところでメイクを始めたのはいつごろですか?
結名 小学校1年生のときにダンス発表会で母にやってもらったのが最初です。自分でやり始めたのは4〜5年生のころ。動画を見ながら練習していました。
VETHEL 舞台メイクということですよね。普段はどうですか?
結名 普段はお出かけのときくらいですね。でもダンスをやっていたので、メイクは必須。ハイライトやキラキラを強めに入れたり、舞台映えを意識したメイクをしていました。
VETHEL 影響を受けたメイクアップアーティストはいますか?
結名 YouTuberのマリリン(福世優里)さんや、海外のメイククリエイターをよく見ています。自分では真似できないくらい大胆なんですけど、見ていて気持ちいいんですよね。
一番年下なので、可愛らしさを出すメイクを
VETHEL アイドル活動を始めて、メイクの方向性は変わりましたか?
結名 ピンクを多めに入れるようになりました。チームの中で一番年下なので、可愛らしさを出したくて(笑)。でも私、顔がけっこう平たいので、ピンクだけだとぼやけちゃうんです。だからブラウンや濃い紫で締めるようにしています。
VETHEL 結名さんにとって、メイクは自己表現ですか? それともパフォーマンスの一部?
結名 どちらもですね。メイクをすると自信がつくし、前を向いて歩ける気がします。ステージに立つときも、メイクがうまくいくかどうかで気持ちが全然違う。自己表現でもあり、役作りでもあると思います。
VETHEL 完璧なメイクを100点としたら、「今日はイマイチ」ってときは何点くらい?
結名 80点くらいかな。最後の方でなんとか持ちこたえる感じ(笑)。本当は一度洗顔してやり直したいけど、時間との勝負です。

チアで「大きく見せる」表現をしていたので、ステージでの顔づくりにも応用できてる
VETHEL メイクでこだわっているポイントは?
結名 まつ毛とチークです。まつ毛は海外メーカーのものが好きで、結構バサバサ派。時間をかけてしっかり上げます。チークは濃いめに入れるのが好みで、顔が面長なので短く見せるように下まつ毛やチークでバランスを取っています。
VETHEL 参考にしているアーティストは?
結名 Girls²の原田都愛ちゃんのライブメイクが好きです。ハートのシールを貼って、その周りにチークをのせてから剥がすとハート型が残るんですよ。それを学校のイベントで真似したこともあります(笑)。
VETHEL チアリーディングもやっていたとか。今の表情づくりに生きていますか?
結名 すごく生きています! チアでは眉を上げたり、口を大きく開けたりして「大きく見せる」表現をしていたので、ステージでの顔づくりにも応用できていますね。ほんの少し顔を上げるだけでライトが当たって明るく見えるとか、表情の角度にもすごく気を配っています。
VETHEL パフォーマンス前のルーティン的なメイクはありますか?
結名 ベースメイクとまつ毛です。ベースがうまくいくと「今日は大丈夫!」って気持ちが入る。まつ毛も直前にしっかり上げ直します。そこが私のスイッチポイントです。
メイクは女の子の強み。“ガールズパワー”をもっと伝えていきたい
VETHEL メイクや衣装で“甘さ”や“かわいさ”を出す工夫は?
結名 アイラインの角度やチークの位置で印象を変えています。私は面長なのでチークを横に入れることが多いんです。鼻にも少しのせて血色感を出すと、甘い印象になりますね。
VETHEL 「音楽とメイク」をテーマに、今後やってみたい企画はありますか?
結名 海外のプロム(ダンスパーティ)に憧れていて、「プロム風メイク×パフォーマンス」の企画をやってみたいです。華やかで夢のある世界観が大好きなので。
VETHEL 最後に、同世代へのメッセージをお願いします。
結名 メイクは女の子の強みでもあると思います。コロナ禍でマスクが当たり前だったころ、メイクを通して自分に自信が持てるようになりました。ステージでは“強い自分”でいたいし、弱いところは見せない。女の子の強さや優しさを表現できる存在でありたいです。メンバーの髪を整えたり、かわいく見せる工夫をしたり、そういう“ガールズパワー”をもっと伝えていきたいです。
VETHEL 素晴らしいです。ちなみに、メイク道具ってどのくらい持ってるんですか?
結名 上京するときにかなり減らしたんですけど、それでも多いですね。チークだけでも何種類もあります。オレンジ系、ラメ入り、気分で使い分けています。
VETHEL すごい!今日はありがとうございました。
結名 こちらこそ、ありがとうございました!

Interview & Text : VETHEL
11月9日(日)、無名上京アイドルが出演「アイチャレ LIVE RUSH」













