
即興が永遠になる──“音楽の奇跡”が刻まれた一夜
孤高のピアニスト、キース・ジャレットの代表作『ケルン・コンサート』が、リリースから半世紀を迎える。
その50周年を記念した限定盤『ケルン・コンサート 50周年記念限定盤2LP』が、12月12日に世界同時リリースされることが発表された。
1975年1月24日、ケルン歌劇場。調律もままならぬピアノ、体調不良、そして深夜の開演──すべてが逆境だった。しかしその夜、ジャレットは奇跡を起こす。即興演奏の限界を超えたその音楽は、ジャンルを越えて人々の心を打ち続け、現在までに全世界で400万枚を超えるセールスを記録。ECMレコードの象徴であり、ライヴ録音史上でも稀に見る名盤として語り継がれている。
「ジャレットのソロ演奏は音楽界における唯一無二の存在であり、『ケルン・コンサート』はその最も雄弁な表現である」──DownBeat誌(1976年)
「思う存分、豊かで強烈にメロディックな即興演奏がここにある」──Melody Maker誌(1975年)
不完全から生まれた“完璧”──伝説の舞台裏
このコンサートは、当時17歳の学生が企画した小さなイベントだった。ジャレットが要求したスタインウェイではなく、調律もずれた練習用ピアノしか用意できなかったという。さらに数日間の不眠と激しい背痛に悩まされていた彼は、一度は出演を断った。しかし青年の熱意に心を動かされ、日付が変わる直前、ついにステージに立つ。
結果として生まれたのは、制約の中でこそ輝く創造の瞬間だった。音は闇を切り裂き、ジャズを超えた“祈り”のような即興が会場を包み込んだ。
永遠の記録、50年後の新たな輝き
50周年記念盤は、世界同時リリースの限定プレスとして登場。高品質のチップオン・ゲイトフォールド仕様ダブル・ヴァイナルに加え、8ページのブックレット(英語・ドイツ語併記)を封入。新規ライナーノーツや未公開写真が収録され、さらにキース・ジャレットの肖像アートプリント(印刷サイン入り)も付属する。
制作を手がけたのは、ECMレーベル創設者マンフレッド・アイヒャー。半世紀を経ても、その緊張感と透明な響きは一切色褪せない。
ユニバーサル ミュージック・ストアでは、予約・購入者の中から抽選で15名に“『ケルン・コンサート』オフィシャルTシャツ(ドイツ製)”が当たる特典キャンペーンも実施される。数に限りがあるため、ファンは早めのチェックが望ましい。
即興という“生”の芸術──キース・ジャレットという存在
キース・ジャレットは、ECMとのコラボレーションを通じて、ソロ、トリオ、カルテット、クラシック作品までを横断し、比類なき音楽的宇宙を築いてきた。1971年の『フェイシング・ユー』から始まった関係は、現代音楽史の金字塔とも言える軌跡を描く。
2017年のカーネギー・ホール公演を最後に演奏活動を休止し、2018年には脳卒中を発症。左半身に麻痺が残るなかでも、彼はなお音楽と向き合い続けている。
『ケルン・コンサート』とは、単なるライヴ録音ではない。
それは「不可能」を「美」に変えた一夜の記録であり、音楽が人間の尊厳そのものになった瞬間である。

キース・ジャレット『ケルン・コンサート 50周年記念限定盤2LP』
- 品番:780-3132
- 発売日:2025年12月12日(世界同時リリース)
- 仕様:限定ワンプレス/ダブル・ヴァイナル/8ページブックレット+肖像アートプリント封入
- 予約リンク:https://store.universal-music.co.jp/products/7803132/
深夜のケルンで響いたその旋律は、いまも私たちの魂を照らしている。

 
	 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			