ミッドナイト・ラヴァーズが手がける新拠点「Bar Franca」──サウンドとカクテルが交差するDTLAの新たなカルチャー・ハブ

先鋭的な音楽カルチャーと洗練されたカクテル体験を融合させた“サウンドバー”

ロサンゼルスのダウンタウンに、新たな文化的拠点が誕生した。ミッドナイト・ラヴァーズが手がける「Bar Franca」である。先鋭的な音楽カルチャーと洗練されたカクテル体験を融合させたこの“サウンドバー”は、街の夜を再定義する場所として注目を集めている。

ミッドナイト・ラヴァーズといえば、LAのアンダーグラウンド・パーティシーンを牽引してきた存在である。彼らが築き上げてきた音楽的遺伝子をもとに、「Bar Franca」では“音”を中心に据えた空間設計がなされている。導入されたDanley製サウンドシステムは、温かみと精密さを兼ね備え、ジャズ、ファンク、ディスコ、ハウス、バレアリックといった多彩なジャンルを鮮明に描き出す。

音とエネルギーを通じて人々をつなげることを目的

オープニングを飾ったのは、ジャンルを横断するDJとして知られるハイディ・ローデンと、ニューヨークの重鎮DJイーライ・エスコバル。10月19日のグランドオープンを皮切りに、毎週木曜から日曜にかけて多彩なプログラムが展開される。Mungo Sound Machineによる“Marmalade Jams”、Slow Jams Jazz Syndicateのライヴ、Eddie C、Thee Mike B、DJ Garth、Midnight Magicのティファニー・ロス、Xica Soulら、国内外の実力派セレクターが次々に登場する予定である。

店内は、イタリアの名編集者でありカルチャーアイコンのフランカ・ソッツァーニから着想を得たデザインで、ゴールドの照明と花々が彩るミニマルかつ官能的な空間が広がる。控えめながらもタイムレスな美しさを湛え、ファッションやアート、音楽が交わる“静かな反逆”の気配が漂う。

カクテルプログラムを監修するのは、Broken ShakerやBar Lab Collectiveで知られるゲイブリエル・オルタと、Bathtub Gin LA出身のジョニー・チャイルド。LAの多様な文化と季節の素材をモチーフに、遊び心とストーリーテリングに富んだメニューを展開する。「The Lover」はメスカルにスイカ、ハイビスカス、シトラスを合わせた一杯で、DTLAの夜に映える。「Al Pastor Margarita」は、パイナップルとチョリソースパイスを効かせたテキーラ・カクテルで、深夜のタコススタンドにオマージュを捧げている。ノンアルコールの「Bonfire Water」など、すべてのドリンクが“思いやりと意図”を持って作られているのも特徴だ。

創設者ロランド・アルバレスは語る。「ミッドナイト・ラヴァーズは、音とエネルギーを通じて人々をつなげることを目的としてきた。Bar Francaは、そのスピリットを“音とつながりがカクテルを介して交わる場所”として形にしたものだ」。

音楽、デザイン、ホスピタリティ。その三位一体によって生まれる新たな体験は、LAカルチャーの現在地を象徴している。Bar Francaは単なるバーではない。ここは、ダウンタウンの鼓動とともに生きる人々の“夜のリビングルーム”なのである。

https://www.barfranca.com

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