
破壊と再生、痛みと希望という普遍的テーマを繊細に描く
ラテン・グラミー賞を受賞し、世界の音楽メディアが絶賛するメキシコ出身の詩的シンガーソングライター、シルヴァナ・エストラーダが、完全セルフプロデュースによる2ndアルバム『Vendrán Suaves Lluvias』(=やわらかな雨が訪れる)をリリースした。
本作は、彼女がこの2〜3年をかけて作り上げた意欲作であり、パンデミック下で生まれた楽曲も収録。アルバムタイトルは、米詩人サラ・ティーズデイルの詩「There Will Come Soft Rains」に着想を得ており、破壊と再生、痛みと希望という普遍的テーマを繊細に描き出している。
「このアルバムは、私自身の心の旅の記録です」とエストラーダは語る。「苦しみの中で希望を見いだし、怒りの中でも光を忘れない。その過程を音楽として残しました」。
彼女は初めてセルフプロデュースに挑み、ハープ、オーケストラ、ペダルスティール、トランペットなどを大胆に導入。自身の本能に導かれるままに音を紡ぎ、「透明で誠実な音のコラージュ」として完成させたという。
リード曲「Flores」のミュージックビデオも同時公開されており、静謐ながらも生命の息吹を感じさせる映像美が印象的である。アルバムにはOwen PallettやRoberto Verásteguiがアレンジで参加し、北マケドニア・スコピエで録音されたオーケストラのサウンドが、作品全体に荘厳な深みを与えている。
ベネズエラのクアトロ・ギターと、詩のように語る歌声が特徴
エストラーダはこれまで、NPR、The Guardian、Billboard、SPINなど主要メディアで高い評価を受け、ラテン・グラミー「Best New Artist」受賞、グラミー賞「Best Global Music Performance」ノミネートなど、国際的な評価を確立。オーロラやレイヴェイとの共演パフォーマンスはいずれもバイラルヒットとなり、数千万回再生を記録している。
メキシコ・ベラクルス州生まれの彼女は、伝統音楽Son Jarochoや合唱音楽を背景に育ち、ジャズを学んだ異色の経歴をもつ。愛用するベネズエラのクアトロ・ギターと、詩のように語る歌声が特徴であり、「メキシコの最も偉大な若き才能」と称される理由がそこにある。
『Vendrán Suaves Lluvias』は、喪失、愛、赦し、そして再生をテーマにした“心の気象詩”とも言うべき作品である。
やわらかな雨のように、静かに、しかし確かに心を潤す ── 。シルヴァナ・エストラーダの音楽は、世界に新たな希望の光を注いでいる。

Silvana Estrada『Vendrán Suaves Lluvias/ベンドラン・スアベス・リュビアス』
配信中(Glassnote Music LLC / The Orchard Japan)
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主な収録曲
- Cada Día Te Extraño Menos
- Dime
- Lila Alelí
- Flores
- Good Luck, Good Night
- Tregua
- Como Un Pájaro
- Un Rayo de Luz
- No Te Vayas Sin Saber
- El Alma Mía
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