
クラブ・サウンドの“野性”が解き放たれる
FDTDとSebi Monoによる新曲「Denying」が、アメリカ西海岸の名門レーベル・Dirtybirdの設立20周年を記念するリリースの一環として10月17日に発表された。
バウンスするプラック・メロディとドライヴ感あふれるパーカッションが渦巻く本作は、クラブ・シーンの真ん中に投げ込まれた強力な一撃である。
FDTDの無骨なグルーヴ・センスと、Sebi Monoの精密なサウンド・デザインが融合し、洗練と混沌のあいだを行き来するような緊張感を生み出している。ピークタイムのダンスフロアに直撃するエネルギーを持ちながらも、細部にはアブストラクトな美学が息づく。“20年の自由なスピリット”を象徴する、Dirtybirdの真骨頂といえるトラックである。
ハウス・デュオFDTDと、再始動したSebi Monoの邂逅
FDTD(From Drop Till Dawn)は、2021年に始動したハウス・デュオ。ORIGINS RCRDSやUltra、This Ain’t Bristolといったレーベルでのリリースを経て、今回ついにDirtybirdに初登場を果たした。
一方、Sebi MonoはUKハウス・デュオMaximonoの元メンバーによるソロ・プロジェクト。過去には「Drummer Loco」(Mat.Joe、Kevin Knappとの共作)や「Non Sense EP」など、Dirtybirdと深い関係を築いてきた存在である。
ソロとなったSebi Monoが再びこのレーベルへ帰還し、FDTDと手を組むことで、Dirtybirdサウンドの現在地を鮮やかに更新した。

“20年目のDirtybird”が提示する自由の美学
2005年に誕生したDirtybirdは、ハウス/テクノ・シーンにおける独自のユーモアとDIY精神で知られる存在だ。これまでに350を超えるリリースを重ね、Campout FestivalやBBQツアーなどのカルチャーイベントを通じて、世界中に熱狂的なコミュニティを築いてきた。
2017年にはMixmag誌の「Label of the Decade(10年の最優秀レーベル)」に選出、2020年にはDJ Mag北米版の表紙を飾るなど、その影響力は揺るぎない。
現在はEMPIRE Danceの傘下で新たな展開を迎えており、「Denying」はその“進化するDirtybird”の象徴的リリースでもある。レーベルが主催する20周年ツアーでは、自由と狂気が入り混じるDirtybird流の祝祭が世界を駆け巡る予定だ。
自由を拒まない、“否定”のダンス
「Denying」というタイトルは、抑制や秩序への“否定”でもある。音楽的な制約を拒み、クラブという共同体の中で爆発する自由の象徴──。
この一曲は、FDTDとSebi Monoの二組が、Dirtybirdの20年の精神を未来へ引き継ぐために放つサウンド・アクションである。
FDTD & Sebi Mono「Denying」
配信日:2025年10月17日
レーベル:Dirtybird Records(20th Anniversary Series)
配信リンク:https://dirtybirdrecs.ffm.to/denying
Dirtybird公式サイト:https://dirtybirdrecords.com
