
若き巨匠が挑む“魂の総力戦”
フィンランド出身の俊英指揮者クラウス・マケラが、世界三大オーケストラのひとつ・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との初共演アルバム『マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》』を2025年11月7日にリリースする。本作は、同年5月にアムステルダムで開催された国際音楽祭「マーラー・フェスティバル」でのライヴ録音であり、彼のキャリアにおける新たな到達点を刻む作品となる。
第1部〈現れたまえ、創造の主、聖霊よ〉の先行配信もすでにスタートしており、リスナーはマケラが放つ“音の宇宙”をひと足早く体験することができる。
マケラが語る、“音の透明度”とホールの魔法
マケラは本作について「マーラー第8番を指揮した瞬間は、生涯忘れられない体験だった」と語る。5つの合唱団と8名の国際的ソリストを擁する大規模編成の中で、彼が最も重視したのは“音の透明度”だという。
「マーラーは力強さを誇示するために多層な編成を用いたのではなく、すべての“色彩”を描くために必要だったのです。このホールはその点で理想的で、舞台から放たれるすべての音符に独自の色を与えてくれました」と、マケラは振り返る。
受け継がれるコンセルトヘボウのマーラー伝統
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のマーラーとの関係は深く、1903年に作曲者本人が《交響曲第3番》を指揮したことに始まる。ウィレム・メンゲルベルクがその作品を熱心に擁護したことから、同団は“マーラーの家”としての伝統を築いてきた。以降、エドゥアルト・ファン・ベイヌム、ベルナルト・ハイティンク、リッカルド・シャイー、マリス・ヤンソンスといった巨匠たちがその遺産を継承。
そして今、その系譜の最前線にクラウス・マケラが立つ。彼は2027年より同楽団の首席指揮者に就任予定であり、本作はその序章としても位置づけられる。
“千人の交響曲”に響く21世紀の息吹
パリ管弦楽団合唱団やオランダ放送合唱団をはじめ、欧州を代表する合唱団とソリストが集結した本録音は、壮大さの中にも繊細な透明感が宿る。マケラの指揮による《千人の交響曲》は、マーラーのスピリチュアルな側面を新たな光で照らし出す。
アルバムは世界同時デジタル配信に加え、日本と韓国では限定でCDリリースも実施される。これは、マケラとロイヤル・コンセルトヘボウ管による初のアジア・ツアーを記念しての特別仕様である。

日本ツアーで“千人”の響きが鳴り響く
アルバム発売直後には、待望の来日公演も決定している。11月11日の京都を皮切りに、高崎、兵庫、川崎、東京(サントリーホール2公演)を巡るツアーが予定されており、現代クラシック界を代表する若き巨匠が日本の聴衆にその音楽の全貌を示すことになる。
【来日公演スケジュール】
2025年11月11日(火)京都コンサートホール
2025年11月13日(木)高崎芸術劇場
2025年11月15日(土)兵庫県立芸術文化センター
2025年11月16日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール
2025年11月17日(月)・18日(火)サントリーホール
詳細:https://www.kajimotomusic.com/concerts/2025-rco/
“次代の巨匠”が描くマーラーの新たな肖像
クラウス・マケラの音楽には、若さゆえの衝動と、時代を俯瞰する冷静さが共存する。《千人の交響曲》という巨大なスコアを前にしても、彼のアプローチは決して誇張的ではなく、むしろ光のように透徹している。
コンセルトヘボウが築いてきた伝統に、マケラが新たな命を吹き込むその瞬間──それは21世紀のクラシック史における、ひとつの“到達点”である。

クラウス・マケラ『マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》』
発売日:2025年11月7日(金)
価格:UHQ-CD UCCD-45040 ¥3,300(税込)
視聴・購入:https://makela.lnk.to/MahlerSym8PR
オフィシャルサイト:https://klausmakela.com
ユニバーサル ミュージック クラシックス:https://www.universal-music.co.jp/classics/