「ART渋谷派」渋谷派宣言 – 手島領 ✕ カネコタカナオ ✕ 中島友太──“ポップ”の先へ。渋谷から発信する新しいアートのリアリティ

2025年10月17日

2025年10月24日（金）から11月6日（木）まで、渋谷・SHIBUYA XXIで「ART渋谷派 Power by tagboat」によるグループ展「渋谷派宣言」が開催される。初日の10月24日（金）は17:00オープン、18:00からオープニングパーティーが行われる。最終日の11月6日（木）にはクロージングパーティーも予定されており、どちらも18:00～21:00の時間帯で入場料は1000円（ワンドリンク付き）。

渋谷派、始動。

“渋谷派”という名のもとに最初の旗を掲げるのは、手島領、カネコタカナオ、中島友太の3人。いずれもマンガやアニメ、ゲームといった日本のポップカルチャーに影響を受けながら、それを単なる引用ではなく、現代アートとして再構築してきた作家たちだ。

手島領は、自身のキャラクター「BABY BOY」を通して現代社会の不安や孤独を描く。アニメやマンガの文脈を巧みに取り込みながら、デジタルと現実のはざまに生きる人間の感情を透過的に表現する。無垢な少年の姿に宿るのは、時代の虚しさと、それでも光を探し続ける希望だ。

カネコタカナオは、デジタルと手描きの間を往復しながら、都市に生きる人々の心象をキャラクター化する。愛らしい造形の奥にある孤独や葛藤を描き出し、ポップなビジュアルの裏に現代社会のリアリティを刻む。その作品は、都市に漂う“もうひとつの自画像”でもある。

中島友太は、絵画からVJ、映像インスタレーションまで多層的な表現を展開。アニメ以後の視覚文化を再構築し、映像と身体の関係を再定義する。彼の作品は“鑑賞する”ものではなく、“没入して感覚で捉える”体験として成立している。

この3人に共通するのは、“ポップ”を出発点にしながら、その内側にある深度を追求している点だ。商業的なイラストレーションと現代アートの境界を解体し、日本のカルチャーの中からリアルな表現を抽出する──それが「渋谷派宣言」の核にある。

オープニングパーティー：10月24日（金）18:00～21:00

当日は、アートと音楽が交錯するプログラムが展開される。

イベントスケジュール：
18:00～　アートトーク：徳光健治（タグボート代表）✕ 手島領 ✕ カネコタカナオ ✕ 中島友太
18:35～　ミュージックトーク：カワムラユキ ✕ am8
20:30～　シグネチャー・アフタートーク：手島領 ✕ カネコタカナオ ✕ 中島友太
20:55～　クロージングコメント：徳光健治

DJはカワムラユキとam8、VJは中島友太が担当する。

カワムラユキは、DJ・プロデューサー・作詞家・作家として活動。「ヴィーナス・カワムラユキ」名義でも知られ、クラブカルチャーとアートを横断する自由な世界観を提示してきた。音楽と言葉を通じて多様な価値観を発信し、ジャンルを超えて支持を集める表現者である。

am8（エーエム・エイト）は、「artとmusicを無限大∞に」をテーマに活動する音楽ユニット。2020年に突如ストリーミング上に登場し、シティポップを軸にアートと音楽を融合させた独自のスタイルで注目を浴びている。洗練されたサウンドとビジュアルを武器に、カルチャーとクリエイティブを横断する新世代アーティストだ。