ジョン・スコフィールド×デイヴ・ホランド──マイルスを“共通のホーム”に持つ二人の巨匠、初のデュオ・アルバムを発表

半世紀を超えるキャリアを誇るギタリスト、ジョン・スコフィールドと、ベース界の重鎮デイヴ・ホランドが、初のデュオ・アルバム『メモリーズ・オブ・ホーム(Memories of Home)』をECMより11月21日に世界同時リリースする。

両者はこれまで、ハービー・ハンコック、ジョー・ヘンダーソン、ジョー・ロヴァーノらとの共演を通じて幾度も音を交わしてきたが、デュオとしての正式な共作は今回が初めてである。録音は2024年8月、ニューヨーク州キャッツキルのNRSスタジオにて行われた。

スコフィールドは本作についてこう語っている。

「いつデュオの話になったのか、正直覚えていない。でも私たちは音楽的に多くの共通点を持っている。このアルバムでは、それぞれが作曲した新旧の楽曲を通して、その類似点と違いが自然に浮かび上がったと思う」

両者を結ぶ最大の共通項は、マイルス・デイヴィスという存在だ。スコフィールドが1982〜85年にマイルスのバンドで活動していたように、ホランドも1968〜70年にマイルスと共演。スコフィールド作「Icons at the Fair」はその影響を色濃く映したものであり、アルバムの幕開けを飾るにふさわしい楽曲となっている。

ホランド作「Mr. B」は、彼のベース・ヒーローであるレイ・ブラウンに捧げたナンバー。しなやかなスウィングとブルースの息づかいは、スコフィールドのギター・トーンと理想的に融け合う。その他にも、過去の名曲「Not for Nothin’」「You I Love」など、ホランドのECM期を象徴する楽曲がアップデートされて収録されている。

タイトル曲「Memories of Home」では、ホランドが1980年代に録音した自身の楽曲を再構築。穏やかで温もりのある旋律が、スコフィールドの持つカントリー的感性を引き出している。
さらにスコフィールドの代表曲「Meant to Be」や、繊細なバラード「Easy for You」も収録。熟練の二人が放つ音の呼吸と間合いは、ジャズの即興性を超えて“音楽的対話”の域に達している。

時代もスタイルも異なれど、マイルス・デイヴィスという“共通の家”を持つ二人の巨匠が、半世紀の音楽的旅路を経て出会った結晶。それが『メモリーズ・オブ・ホーム』である。
今秋、ジャズ界における最注目作となることは間違いない。

『Memories of Home』作品情報

  • アーティスト:ジョン・スコフィールド&デイヴ・ホランド
  • 発売日:2025年11月21日(金)世界同時リリース
  • レーベル:ECM(UCCE-1219)
  • 価格:税込 3,080円(SHM-CD)
  • 収録曲
    1. Icons At The Fair
    2. Meant To Be
    3. Mine Are Blues
    4. Memorette
    5. Mr. B (Dedicated to Ray Brown)
    6. Not For Nothin’
    7. Easy For You
    8. You I Love
    9. Memories Of Home
  • 録音:2024年8月/NRS Studio, Catskill, NY
  • Personnel:John Scofield (g), Dave Holland (double-b)
  • 試聴・購入リンク

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