
ベルリン発の音楽制作ソフトウェア大手Native Instrumentsが、ロンドンを拠点とする前衛的な楽団、London Contemporary Orchestra(以下LCO)とのコラボレーションによる最新Kontakt音源『LCO Producer Strings』を発表した。
本作は、映画『Deadpool & Wolverine』のサウンドトラックをはじめ、レディオヘッドやフランク・オーシャン、テイラー・スウィフト、ザ・ウィークエンドといったアーティストとの共演で知られるLCOの革新的なストリングス・サウンドを収録したもの。ロンドンの名門RAK Studiosにて、エンジニアFiona Cruickshankを迎えて録音された。
『LCO Producer Strings』は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、シンセを4レイヤーで自在にブレンドできる設計となっており、オーガニックな響きからグリッチーで実験的な質感まで幅広く表現可能である。クラスター・ブルーム、ハーモニック・フリッカー、パーカッシブ・ピチカートなど、従来の枠を超えた奏法を収録し、現代的でアヴァンギャルドなサウンドメイクを実現している。
Native Instrumentsのプロダクト・マネジメント副社長Tim Adnittは、「この音源は、LCOのユニークで刺激的なサウンドをすべての人に開放するものである」と語り、LCOの共同芸術監督・指揮者Hugh Tieppo-Bruntも「オーケストラの新たな可能性を提示する試みだ」とコメントしている。
価格は$99/€99/£89で、Kontakt 8およびNKSに最適化されている。大規模な制作予算を必要とせず、世界的アンサンブルの実験的ストリングスを手軽に取り入れられるのが最大の特徴である。

クラシカルな伝統を拡張し、現代音楽や映像作品に新たな次元をもたらしてきたLCOと、25年以上にわたり音楽制作の最前線を走るNative Instrumentsによる本コラボレーションは、プロデューサーやコンポーザーに新たな創造的可能性を開くツールとなるであろう。