
人生の儚さや美の本質を探求する音の旅路的作品
アンビエント/チルアウトの名手として知られるアフターライフ(スティーヴ・ミラー)が、最新アルバム『Standing At The Foot Of The Mountain』を11月14日に〈Subatomic UK〉からリリースする。本作は15曲からなる壮大なサウンドスケープであり、人生の儚さや美の本質を探求する音の旅路として提示されている。
アルバムは、開かれた未来を前にして山の麓に立つという象徴的なイメージから始まる。浮遊するようなサウンドのパターンや有機的なテクスチャーは、聴く者を精神的かつ感情的な探求へと誘う。たとえば「Mono No Aware」ではピアノとダブルベースが織り成す美しい旋律が、日本的な「もののあわれ」の感覚を喚起し、生命の儚さと深い抱擁を同時に伝える。一方、「Tripping In My Garden」や「Moon Over Water」では光や反射が描くアンビエンスが広がり、祝祭的なきらめきが響き渡るようだ。
音楽そのものが持つ美と可能性を最大限に引き出す実験
その一方で、作品には陰影も刻まれている。「No Fight No Blame」はダークで反復的なパルスを主体に、不穏な問いを投げかけるナンバーであり、「Tranquillity Suite」では安らぎとは裏腹に現代を映し出すような緊張感を持ったサウンドが展開される。アルバムのラストを飾る「Emptiness」はタイトルに反して深い感情の領域を探求し、個人的でありながらも普遍的な対話を呼びかけるような音世界を描き出す。
収録された全15曲は、音楽そのものが持つ美と可能性を最大限に引き出す実験であり、聴く者に没入体験を提供する。アンビエントとディープリスニングの未来を照らす、真に崇高なコレクションであると言えよう。

リリース情報
- アーティスト:Afterlife
- タイトル:『Standing At The Foot Of The Mountain』
- レーベル:Subatomic UK
- フォーマット:デジタル
- リリース日:2025年11月14日
- ジャンル:Ambient / Deep Listening
- 配信:The Orchard
- Bandcamp:https://afterlifemusicofficial.bandcamp.com/music