南部は止まらない ── ヒップホップ第三の首都を読み解く、決定版ディスクガイドが登場

『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド トラップ・ミュージックを生んだ南部のラップ史』5月23日発売

「イーストか? ウェストか?」── そんな問いが古びて聞こえるほどに、いま、ヒップホップの重心は南へと傾いている。アトランタ、メンフィス、ヒューストン、ニューオーリンズ、マイアミ……アメリカ南部=“サウス”こそが、21世紀のヒップホップをリードする地である。

2025年5月23日に刊行される『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド』は、そんな南部のラップ史を300点超のディスクで読み解く、日本初の本格ディスクガイドである。アウトキャスト、UGK、リル・ウェインから、来日公演も話題のトラヴィス・スコットまで ── 新旧の重要盤を軸に、“第三の首都”としてのサウスの実像を浮かび上がらせる。

トラップのルーツから最新トレンド、バーベキュー・レシピまで

本書では、サウスの黎明期である1990年代から、トラップ勃興期の2000年代、現在の最前線までを4章構成で網羅。単なるディスク紹介にとどまらず、コラムも充実しているのが大きな魅力だ。

例えば、ペン&ピクセルによるアートワークの分析、アトランタ名所ガイド、南部スラングの解説、アドリブの進化論、さらにはBBQチキンウイングのレシピまで──音楽と文化と生活が絡み合う、まさにサウス的カルチャーの縮図と呼ぶにふさわしい一冊に仕上がっている。

強力監修陣+個性派ライターが結集

監修を務めるのは、サウスのビート感を日本に根付かせた先駆的ビートメイカーLil’Yukichiと、ヒップホップにおける“地域性”の記録者として信頼の厚い音楽ブロガー/ライターのアボかど。さらに執筆陣には、音楽評論、DJ文化、アート、レシピ、ネットスラングなど、各分野の精鋭たちが顔を揃える。天野龍太郎、小林雅明、出嶌孝次、二木信らに加え、Lil’ Ricky(Da Mask Baby)、アンダーソン夏代、つやちゃんなど、サウスへの多様なアプローチを可能にするメンバーが集結している。

目次

『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド トラップ・ミュージックを生んだ南部のラップ史』

監修:Lil’Yukichi/アボかど
判型:A5判・並製・168ページ
価格:本体2,800円+税
発売日:2025年5月23日(金)
ISBN:978-4-86647-240-9
発売元:株式会社ディスクユニオン/DU BOOKS
商品紹介ページ

“サウス”を知らずに、2025年のヒップホップは語れない

アウトキャストがロックの殿堂入り候補となり、トラヴィス・スコットがついに日本上陸を果たすこのタイミングで、本書はひとつの決定打となるだろう。

本場の空気を深く理解したいリスナー、ヒップホップ初心者、カルチャー好き、すべての音楽ファンにとって、“南部”はもはや「通過点」ではなく、「目的地」である。そしてこの本は、その旅の最高のガイドになるに違いない。

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