スティーヴン・キング作家生活50年 ── 新たなる傑作『フェアリー・テイル』、4月25日発売

スティーヴン・キング、作家生活50年。その節目に贈られる待望の最新作『フェアリー・テイル』(上・下巻)が、文藝春秋より4月25日に発売される(紙書籍・電子書籍同時刊行)。あわせて、2章分の試し読みと担当編集者による読みどころ紹介を収録した無料ガイドブック「S・キング50周年たっぷり試し読み『フェアリー・テイル』ガイドブック」の配信もスタートした。

闇の時代に灯をともす“おとぎ話”


『キャリー』『シャイニング』『IT』『ミザリー』── 数々の名作を世に送り出してきた「世界最強のストーリーテラー」スティーヴン・キング。デビュー作から半世紀、ホラー小説の概念を刷新し、「モダン・ホラー」の時代を切り開いた彼が、新たに挑んだのは、パンデミックの只中で自身を鼓舞するかのように書き上げた“希望の物語”である。

「What could you write that would make you happy?」
──「自分を幸せにする物語を書くとしたら、どんな話になるだろう?」
この問いに対する答えが、『フェアリー・テイル』なのである。そして、その終わりに待つのは、ハッピーエンドだ。

あらすじ──少年と老犬がひらく異世界への扉


物語の語り手は、平凡な高校生チャーリー。彼が出会ったのは、町外れの“サイコハウス”に住む偏屈な老人ミスター・ボウディッチと、その飼い犬レイダー。老人の怪我をきっかけに屋敷へ足を踏み入れたチャーリーは、やがてボウディッチの家に隠された秘密、そして裏庭に通じる“異世界への入り口”を知ることとなる。

その先に広がるのは、二つの月が輝く異世界「エンピス」。呪われた王国、怪物たちが支配する迷宮、そして少年と老犬の冒険。キングがその奇想を惜しみなく注ぎ込んだ“おとぎ話”の真髄が、ここにある。

24年ぶりの「大判」復活 ── A5判で刊行される理由


今回の『フェアリー・テイル』は、A5判という大判サイズで刊行される。かつて『IT』日本版の刊行時に用いられたこの造本は、まるで海外のハードカバーのような重厚感で話題を呼んだ。その後も1990年代のキング作品はこのサイズが定番となっていたが、2000年代以降は途絶えていた。

作家生活50年の節目を飾る大作にふさわしい形式として、24年ぶりにこの“キング伝統の大判”が復活。装画も『IT』同様、藤田新策氏が手がけており、往年のファンにとっても感慨深い刊行となっている。

前代未聞のW受賞なるか ──『ビリー・サマーズ』も注目


キング作品は今、日本の文学賞でも注目を集めている。新設された日本推理作家協会賞「翻訳部門」にて、彼の犯罪小説『ビリー・サマーズ』が第一回候補作に選出されているのだ。もし受賞すれば、米国探偵作家クラブのエドガー賞と並ぶ、日米の推理文学賞W受賞という快挙となる。選考結果の発表は5月15日。キングの記念すべき年に、もうひとつの栄冠が加わる可能性がある。

ガイドブックも無料配信中


現在、『フェアリー・テイル』の冒頭2章をたっぷりと試し読みできる無料電子ガイドブックが好評配信中。これまでキング作品を手がけてきた2人の担当編集者が読みどころを語る対談も収録されており、ファンにとっては必携の内容である。

目次

『フェアリー・テイル』(上・下)スティーヴン・キング

発売日:2025年4月25日(金)
翻訳:白石朗
装画:藤田新策
判型:A5判 上製カバー装
価格:各巻 4,675円(税込)

公式サイト

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