
90年代ヒップホップ・シーンを支えたルートパックのメンバーとして知られるラッパー、Wildchildが、最新ソロ・アルバム『Child of a Kingsman』をBBE Musicから発表した。フォーマットは2枚組アナログとデジタル配信で、2025年8月22日にリリースされている。
父として、そしてアーティストとしての再出発
長らく息子マイルズの父として家庭に専念してきたWildchildだが、本作でシーンに本格復帰を果たした。17曲からなる本作は、ジャズやネオ・ソウルを土台としたビートに、複雑かつ鋭いリリックを乗せた作品であり、ヒップホップという枠を超えて文化を結びつける彼の理念を体現している。
ジャズ/ソウル界の強力な布陣
アルバムには、トランペット奏者のキーヨン・ハロルド、ムーンチャイルドのシンガー“アンバー・ナヴラン”、ギタリスト“アーロン・グリーン”、ビートメイカー“ノッツ”など、現代ジャズ/ソウル/ヒップホップの名手たちが参加。前シングル「Change For My 2 Cents feat. Keyon Harrold & A-G and Nottz」のリミックス「Season of Kingsmen」も収録されている。サウンドの広がりとコラボレーションの妙が、作品全体に厚みを与えている。
90年代から現在へ──Wildchildの系譜
Wildchildは90年代、マドリブやDJ RomesとともにLootpackを結成。ストレートなラップとソウル/ファンクを融合させたスタイルでアンダーグラウンド・ヒップホップの象徴的存在となった。ソロ活動においてもア・トライブ・コールド・クエストのファイフ・ドッグ、コモン、DJスクラッチらと共演し、キャリアを重ねてきた。今回のアルバムは、2022年以来となる待望のソロ作品であり、彼の新たなフェーズを告げるものでもある。

リリース情報
アーティスト:Wildchild
タイトル:Child of a Kingsman
レーベル:BBE Music
発売日:2025年8月22日
フォーマット:2LP/デジタル配信
Tracklist(抜粋)
- A Kingsman’s Flowers
- Season Of Kingsmen
- Change For My 2 Cents
- Multiverse
- Freedom Riding
- Black Man Blues
- Kingsmen
- My Utopia
- Welcome Home
ヒップホップの過去と現在をつなぎ、父としての経験をも重ね合わせた『Child of a Kingsman』。Wildchildが示すこの新たな地平は、ヒップホップの未来を見据える上で欠かせない作品となるであろう。