
87歳を迎えてなお第一線で活動を続けるジャズ・レジェンド、チャールス・ロイドがニュー・アルバム『Figure in Blue』を10月10日にリリースすることが決定した。ブルーノートからは12枚目の作品となる。先行シングル「Figure in Blue, memories of Duke」の配信もすでにスタートしている。
新たなトリオ編成が生み出すサウンド
本作は、長年の盟友であるピアニストのジェイソン・モラン、そしてギタリストのマーヴィン・シーウェルと組んだトリオ編成によるスタジオ録音作である。美しいバラードから荒々しいデルタ・ブルースまで幅広い音楽領域を探求し、デューク・エリントン、ビリー・ホリデイ、そして今年惜しくも世を去った打楽器奏者ザキール・フセインへのオマージュが込められている。
制作のきっかけはロイドの87歳バースデー・コンサート。サンタバーバラのロベロ・シアターでモラン、シーウェルと共演した際、その音楽的可能性を強く感じ、即座にレコーディングを敢行したという。ロイドは「私たちはほとんど言葉を交わさず、音楽の本質に迫ることができた」と語っている。
デルタ・ブルースの血脈
シーウェルはクラシック・ピアノとジャズ・ギターの訓練を受けた異色のギタリストであり、今回の作品ではボトルネック奏法を駆使したブルースを披露。ロイドは彼の演奏について「マーヴィンの声は本物だ。彼はシカゴで育ったが、ミシシッピ・デルタに家族のルーツを持ち、その土地の試練と苦難を体験している。彼のプレイからそれが伝わる」と評価している。

リリース情報
チャールス・ロイド『Figure in Blue』
2025年10月10日リリース(配信/輸入盤)
収録曲:
- Abide With Me
- Hina Hanta, the way of peace
- Figure In Blue, memories of Duke
- Desolation Sound
- Ruminations
- Chulahoma
- Song My Lady Sings
- The Ghost of Lady Day
- Blues for Langston
- Heaven
- Black Butterfly
- Ancient Rain
- Hymn To The Mother, for Zakir
- Somewhere
Personnel:
チャールス・ロイド (sax)、ジェイソン・モラン (p)、マーヴィン・シーウェル (g)
87歳にしてなお、音楽の可能性を果敢に切り拓くチャールス・ロイド。『Figure in Blue』は、彼のキャリアに新たな章を刻む重要な作品となるであろう。