移民の少年が歌う“愛だけ”── ジェイムス・エマニュエル、ヴィンテージ・ソウルの新星が英デッカより新曲発表

ナイジェリア出身、現在はイギリスを拠点に活動するソウル・シンガー、ジェイムス・エマニュエルが、新曲「Nothing But Love」を名門〈デッカ・レコード〉から配信リリースした。ソウル界のレジェンド、リー・フィールズ&ザ・エクスプレッションズのホーン・セクションも参加した本作は、今秋にリリース予定のデビューEP『A Time To Heal』(10月1日発売)に先駆けての発表となる。

清掃員からBBC Promsへ ── 異色の経歴を持つシンガー

ジェイムス・エマニュエルの物語は、ソウルフルな歌声以上に人々の心を打つ。16歳で父を亡くし、家族を支えるためナイジェリアからインド、南アフリカ、そしてロンドンへと渡った彼は、最終的にたどり着いたエディンバラで、バーのトイレ掃除とホール業務の合間にステージで歌うようになる。その歌声は次第に地元で話題となり、フェス出演、デッカとの契約、そして今月はイギリス最大のクラシック音楽祭〈BBCプロムス〉への出演も果たすなど、まさに“現代のサクセスストーリー”を歩んでいる。

故郷への賛歌 ──「Nothing But Love」

新曲「Nothing But Love」は、彼が飛躍するきっかけとなった街・エディンバラへ捧げた楽曲である。温かく力強い歌声はグレゴリー・ポーターを彷彿とさせ、ストリングスやホーン・セクションが彩るサウンドは、エル・マイケルズ・アフェアなどに通じる現代的ヴィンテージ・ソウルの風格を湛えている。

さらに注目すべきは、レコーディングに偶然居合わせたリー・フィールズ&ザ・エクスプレッションズのホーン隊が楽曲に惚れ込み、急遽参加が実現したというエピソード。本物のソウルが呼び寄せた、奇跡的な邂逅といえる。

エマニュエル本人は、本作について以下のように語っている。

「この曲は、ナイジェリアから夢を抱いてやって来て、故郷を見つけた少年の物語です。カラオケ・バーやオープン・マイクで鍛えた声、寒い街路に響いた歌。エディンバラはそんな私に耳を傾け、居場所を与えてくれました。出自に対する偏見が渦巻く今の時代に、この曲は“ありのままの自分”でいることの大切さを伝えたいのです」

リリース情報

タイトル: Nothing But Love
アーティスト: ジェイムス・エマニュエル
リリース日: 2025年7月30日(配信)
レーベル: Decca Records
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