ASHRR、最新作で見せるバンドとクラブの架け橋 ──『Sunshine Low 』リリース

ロサンゼルス拠点の3人組バンドASHRR(アッシュアー)が、2024年作『Sunshine Low』を大胆に再構築したニューアルバム『Sunshine Low (ASHRR Soundsystem Versions)』を発表した。リリース元はUKの名門レーベル〈20/20 Vision Recordings〉。マヤ・ジェーン・コールズやクレイジーPらを擁するこのレーベルからのリリースは、彼らの音楽的進化と国際的評価を物語っている。

本作は単なるリミックス・アルバムではない。ASHRRは“ASHRR Soundsystem”というダンスフロア志向の変名を掲げ、ライブ演奏と再プログラミングを駆使し、原曲をゼロから作り直した。ダブ、バレアリック・ハウス、コズミック・ディスコ、ポスト・パンクといった多彩なジャンルのエッセンスを織り交ぜたサウンドは、LCDサウンドシステムやクルアンビン、そしてニュー・オーダーにも通じる。あたかもイビサの朝焼けのような、広がりと高揚感に満ちたダンス・アルバムである。

メンバーはヴォーカルのスティーヴン・デイヴィス、ジャズ出身のピアニスト/ソングライターのジョシュ・チャールズ、そしてグラミーにノミネート歴のあるエンジニア/プロデューサーのイーサン・アレンの3名。2018年に結成されて以降、「人の心と身体を動かす音楽」をテーマに活動を続け、KEXP、DJ Mag、FLOOD、KCRWなど各種メディアに取り上げられ、ロン・トレント、ラヴフィンガーズ、サイエンティストらからもリミックスサポートを受けてきた。

『Sunshine Low (ASHRR Soundsystem Versions)』は、バンドサウンドとクラブカルチャーの間にある境界線を軽やかに飛び越える作品である。生演奏による躍動感と、クラブミュージック特有の反復と陶酔。その両方を武器に、ASHRRは“踊れるアートロック”の最前線へと歩みを進めている。新たなフェーズへと突入した彼らのサウンドは、ジャンルの垣根を越えて、ますます多くのリスナーを巻き込んでいくであろう。

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